ジャニーズ圧力問題を追及できないテレビ局の癒着体質
今回、「注意」にとどまったとはいえ、公取委が動いたことをきっかけに、ジャニーズ事務所(をはじめとする大手芸能事務所)圧力問題が徹底追及されることを願いたいが、民放各局の報道ぶりを見ていると、残念ながらそうは思えない。
17日、NHKは21時前に速報を打ち、『ニュースウオッチ9』ではトップでこの問題を扱った。しかし、その夜の約1時間後に始まったテレビ朝日の『報道ステーション』はこの問題を一切扱わず、日本テレビの『news zero』とフジテレビの『FNN Live News α』は23時半過ぎにジャニーズ事務所の否定コメントを待ってストレートニュースで報道。唯一、TBSの『news23』だけはトップでこの問題を報道、圧力を批判する街の声を紹介したり、アンカーの星浩が「TBSにも調査に協力してもらいたい」と自局の責任にも言及するなど、踏み込んだ報道をした。
この各局の対応の差は、ジャニーズ事務所と各局の距離感をそのまま表している。いちばん踏み込んだ報道をしたTBSは、分裂騒動時、ジャニーズ事務所から中居正広を守ると内々に宣言するなど藤島ジュリー景子副社長体制と距離を置いているとされる。それ以外は嵐ブレイク前からジュリー副社長とベッタリの日本テレビ、SMAPとの関係も深かったが毎年ジャニーズカウントダウンライブを中継するなどしているフジテレビ、昔からジャニーズJr.の番組を押し付けられるなどジャニーズに言いなり奴隷状態のテレビ朝日。公取委が動く事態となっても、結局ジャニーズと関係性に気を遣い顔色をうかがった報道しかできないのだ。
しかも、いまのところ、18日にNHKが報じた圧力証言を後追いするテレビ番組はない。
ジャニーズ事務所圧力問題は、ジャニーズ事務所だけの問題ではなくテレビ局自身の問題でもある。このジャニーズ事務所とテレビ局の共犯関係・癒着構造があらためられない限り、圧力問題が根絶されることも明らかになることもないだろう。