左・進撃の巨人 作品公式サイトより/右・映画『進撃の巨人』公式サイトより
映画『進撃の巨人ATTACK ON TITAN』が8月1日に公開されたが、興行収入は1、2日の土日2日間で『HERO』『ミニオンズ』を抑えて首位を獲得。興行収入50億円超も見込める好スタートを切った。原作である『進撃の巨人』(諫山創/講談社)は累計発行部数4200万部を突破するほどの人気作だが、公開前から特に注目されていたのが、映画のオリジナルキャラ・シキシマについてだった。実際、映画が公開されてみると、シキシマに対してはこんな声が多くあがっていた。
「シキシマキモすぎ」「好きになれない」「シキシマが壊滅的に魅力に欠けてたのは気になったかな」「シキシマ…たかが映画キャラに強い殺意を抱くなんて…」「シキシマが死ぬなら後編見てもいいかな」
と、散々なもの。なかには、映画を見た人ですら「シキシマって誰だよ」とつぶやいており、原作ファンからすれば不満の残るものだったようだ。まあ、マンガの実写化で原作と異なるものは多々あるし、批判の声があがるのもいつものことだが、今回、これほど多くの不満の声が出たのには理由がある。それは、主人公エレンの上司で、作中でもっとも人気のあるキャラ・リヴァイ兵長が登場しないからだ。彼は、壁の外に出て巨人と戦う調査兵団の一員で、身長160cmにも関わらず、人類最強と言われる潔癖症で三白眼の兵士。だが、実写映画ではその代わりのようにシキシマが登場しており、人類最強の肩書きや白いハンカチで潔癖症なところを表現するなど、ところどころ出てくるリヴァイの要素から、拒否反応を起こす人が多く現れたようだ。
だが、そもそもなぜ映画にリヴァイが登場しないのか? 実写映画『進撃の巨人』最大の謎でもあったこの“リヴァイが登場しない理由”だが、「映画秘宝」(洋泉社)9月号に掲載された脚本家・町山智浩のインタビューでは、こんなことが明かされている。
「リヴァイとエルヴィンは、「ヴ」というアジアにない発音がある。アジア人なのになぜそんな名前なのか説明が必要になってくる」
「というわけで、リヴァイとエルヴィンは泣く泣く最終的にあきらめた」
しかし、本当にこれだけの理由なのだろうか? じゃあ、エレンはどうなんだという疑問が出てくる。実際「キャラ名をすべて完全に日本人らしい名前に変える」か「開き直って、全員原作通りのドイツ名のままでやる」か町山も最後まで迷ったらしいが、「主要キャラは原作通りいきたいというのがプロデューサーの意向なので、こんな屁理屈を考えた」と語っている。