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沖縄県知事選直前インタビュー

宮台真司が語る沖縄の生きる道「問題は基地反対の先にある」

──沖縄が抱える構造的問題とはどういうものでしょう?

宮台 基地をネタにカネを引きだそうとした結果、基地に依存する経済体質になって抜けられなくなる。自己決定的な敢えてする依存が、余儀なくされた依存に頽落する。これが構造的であるという意味です。こうした〈自律的依存から他律的依存への頽落〉はフクシマも同じですが、沖縄の場合、内地からカネを引き出すのが〈復讐〉だとする共通了解があった。でも、霞が関官僚にとってそんなことはどうでもよく、カネで片がつく話だから沖縄が何を言っても取り合う必要はないと〈軽蔑〉される。こうした〈復讐〉と〈軽蔑〉のカップリングが沖縄の尊厳を自己破壊しているんだけれど、基地返還跡地が「どこにでもあるショッピングモール」になることも、内地の役人連中から「所詮はカネか、くっくっく」という〈軽蔑〉を招きます。

──そうなると基地問題は完全に固定化しているように感じますが、それを解決することはできるのですか?

宮台 方法が3つあります。第1に、米軍施設の各々について隣接市町村が基地存置の是非をめぐる住民投票を行う。過去20年で米国外に置かれた米軍基地の数は3分の1に減りましたが、それは独裁政権崩壊後の住民投票が背景にあります。第2に、住民投票に際して跡地利用計画をめぐる地域住民の熟議を興す。そのことで、日本政府と米国政府の双方に対し「本気を示す」と同時に、分断されがちな地域で〈我々〉を取り戻すのです。第3は、基地に関係する外交アクション。基地について日米両政府が合意する際、先行して沖縄の合意をとりつけることを必須条件とするよう両政府に要求する。沖縄が日本の米軍用地の74パーセントを引き受ける以上、当然です。今は(1)沖縄を蚊帳の外に置いて日米合意し、(2)『丁寧なご説明』と称して沖縄に押しつけ、(3)納得しなければカネで手打ちする、という順番になっていますが、実は、沖縄には日本政府の頭越しにアメリカ政府と交渉する力が今もある。辺野古で、防衛庁が珊瑚礁を守れるシュワブ内陸案で行こうとしたら、土建屋からなる民間親睦団体の沖縄県防衛協会北部支部が大量の砂利とコンクリを使うV字型滑走路案にアメリカ政府と密かに合意、引っくり返してしまいました。この親睦団体代表が仲井眞知事なのだから笑える。彼が『珊瑚礁を守る県外移設』なんて本気で考えるはずがないじゃないか。なのに琉球民族独立総合研究学会の知念ウシなどが『仲井眞さん頑張って』と叫んでいたのだから、呆れるわけ。

──なぜこれまで沖縄は、宮台さんのいうような方法をとれなかったのでしょうか。

宮台 実は1990年~98年の大田昌秀県政がこれらを実行しようとしたけど、第1については、96年に県民投票が1度行われただけ。それ以降1度もない。今度の知事選では下地幹郎候補がこれを主張しているけど、有効な戦略です。第2については、41箇所あった米軍施設毎に跡地利用計画を立てる「基地返還アクションプログラム」が、県内マンパワーの不足から中央のコンサルに丸投げして終わった。普段から内地を含めた知的ネットワークを動かす必要があります。関連する「国際都市形成構想」も、フリートレードゾーンの経済話に終始したのが失敗でした。二重冊封体制や内地による周辺化の歴史を踏まえ、日本を敵視する国が参加する国際会議の場所にこそ相応しいと押し出すべきだったのです。そして、長期のルネサンスを目差す大田構想が失敗した理由を反省して巻き直すことなく、霞が関の一部役人が馬鹿にするように短期のキャッシュに目が眩んだ結果が、北谷やおもろまちの基地跡地にできた大型ショッピングモールです。

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