岡部内閣参与が衛生行政のトップ務める川崎市は、陽性率ダントツ、重症患者の病床使用率120%
岡部氏といえば、国内でも「ダイヤモンド・プリンセス」での感染拡大が起こり、イタリアでの医療崩壊が伝えられていた昨年3月にも「新型コロナはそこまでのものではない」などと発言していたが、いまだに現実を冷静に捉えられず、過小評価しているとしか思えない。こんな発言を、何のエクスキューズも付けずに垂れ流している「BuzzFeed Japan」もどうかしているだろう(ちなみに、この記事のインタビュアーは昨年来、厚労省の代弁者のように検査抑制論を唱えてきた岩永直子記者である)。
しかも問題なのは、このような岡部氏の“危険な見識”が対策の失敗を生み、現実に悲惨な状況に陥っている、ということだ。
岡部氏は神奈川県川崎市の衛生行政のトップだが、新規感染者数が5日連続で2000人を超える神奈川県にあって、とりわけ川崎市は17日発表の新規陽性者数は524人と人口比でみれば横浜市を超える多さとなっており、15日時点の病床使用率は80%、重症患者の病床使用率は120%にものぼっている。
しかし、なかでも深刻なのは「陽性率の異常な高さ」だ。たとえば、16日発表の陽性者は505人であったのに対し検査人数は530人で、陽性率はなんと95%。15日発表の陽性者は505人、検査人数は642人で陽性率は78%だ。この驚愕の数字に、ネット上では「川崎の陽性率がやばい」「検査が足りてなさすぎる」という声があがっていた。
ただ、この陽性率はあくまで検査人数が速報値であるために滅茶苦茶な数字になっていたわけだが、それでも、遅れて発表される直近1週間(8月2日〜8日)の陽性率でも46.1%と、やはり異常な高さであることに変わりはない。
さらに、この問題について川崎市は〈自費検査を行う市外の検査機関等で検体が採取された方についても市内医療機関から陽性者の届出がされる事例が多数確認されており、陽性率が実際よりも高い状況〉とし、17日からは陽性者合計から市外の検査で陽性が確認された人の数を除いて算出することに。だが、そうして新たに割り出された直近1週間(8月2日〜8日)の陽性率は、驚きの42.9%だった。
東京都も陽性率が高く、検査が足りていないことが指摘されているが、その陽性率が24.1%(16日の数値)であることを考えれば、いかに川崎市が感染者に対して検査が足りていない、深刻な状況になっているかがわかるだろう。