松本人志の「体を使って」発言は批判しなかったマスコミ・ネットニュース
そもそも“女はカラダを使って出世”などというのは、昔から男社会で、働く女性を攻撃するときに使われる差別発言の典型だ。その発言の底に流れているのは、「女は男より無能で劣っている、にもかかわらず社会進出や出世をしたのは “女性を武器”にしたからに違いない」という二重の偏見であり、こうした考えこそが女性の権利を奪い、社会進出を阻んできた。
松本のミソジニー発言は本サイトでも繰り返し指摘してきたが、この「カラダを使って」発言は、松本の女性差別的な言動のなかでもとびきりひどい。繰り返しになるが、女性に面と向かって、しかも、男性による暴力問題への対応を深刻に訴えている女性に対して、「カラダを使ってなんとかしろ」と差別暴言を吐いたのだ。普通に考えれば、「セクハラ」として一発アウト、大問題になる。
松本の指原に対する発言は単なるネタで、実際に性的関係を強要したわけではないと松本を擁護する人もいるかもしれないが、その場に性行為の相手がいるかいないかの違いだけで、出川が告発されている言動と松本発言は本質的になんら変わらない。
ところが、松本のこの「体を使って」発言はSNSで大炎上したものの、マスコミではほとんどスルーされた。SNSでは「“体を使って”発言はさすがに引く」「よく放送したな」「冗談でも完全にアウト」など批判の声が多数投稿されたが、ネットメディアやスポーツ紙は、松本の別の発言を紹介するばかりで、“カラダを使って”の女性蔑視発言を問題視したのはごくわずかだった。
松本をめぐってはつねに、こういう構造が付いて回っている。松本がひどい差別的発言や暴言を吐いて、SNSなどネット上で問題視されても、マスコミは松本の発言を批判したり、「舌禍事件」「差別発言」として大きく取りあげたりしないのだ。
その結果、松本は出川とは対照的に、バラエティもCMも何食わぬ顔で出演し続けているのである。