進次郎の参拝で歴史的経緯を知らないまま「普通に」参拝に行く動きが加速
浅はかとしか言いようがないが、しかし、進次郎のようなこうした一見極右的でない政治家までが靖国参拝することは、極右の参拝強行よりもはるかに深刻な事態と言っていいだろう。
その参拝によって、靖国の歴史的経緯や軍国主義的役割、政教分離の絶対原則なんて考えもせずに、「戦争で亡くなった人が祀られているから」と「普通に」参拝する人が増えていくことになるからだ。その結果、多くの国民が知らず知らずのうちに、戦前回帰と戦争肯定思想に侵され、逆に「参拝を批判することが悪」「参拝しないことが悪」という同調圧力に転じていく。
小泉環境相は今回の参拝に当たって「参拝がニュースになることがなくなる時代にしなければいけない」などと語っていたが、そんな時代がくるとすれば、それはほとんどの国民が「国家の為に命を捨てるのは当然」という戦前の価値観を共有しているということと同義だ。
もしかすると、この国は進次郎のような政治家によって、戦前回帰をさらに一段階進めることになるのかもしれない。
(編集部)
最終更新:2020.08.16 01:04