小泉進次郎 Official Siteより
戦後75年の節目となる、今年の終戦の日。靖国神社に、安倍内閣の閣僚が4人も訪れた。参拝した閣僚は、高市早苗総務相、萩生田光一文科相、小泉進次郎環境相、衛藤晟一沖縄北方相。ほかにも、稲田朋美元防衛相、下村博文元文科相など、安倍首相の側近らが訪れている。
いまさら説明するまでもないが、靖国神社は、明治維新の官軍や旧日本軍の戦没者を“英霊”と称して祀り、戦意高揚を煽るためにつくられた神社。国家神道の中心として侵略戦争を正当化した装置であり、戦後も、帝国主義や軍国主義を賛美する歴史修正主義の根源のひとつだ。1978年にはA級戦犯の合祀が強行されており、まさに軍国主義時代の日本を全面肯定する場所といっていいだろう。
海外からは当然、厳しい目を向けられており、昨年もイギリス「タイムズ」紙が「日本の過去の植民地支配と侵略戦争を賛美する場所」「攻撃的なナショナリズムの培養器」とし、戦争犯罪をなかったことにする歴史修正的展示についても強く批判していた。
そんな歴史否認と軍国主義の象徴の場に、複数の現役閣僚が参拝に訪れたのである。安倍政権の靖国賛美と侵略戦争美化はいまに始まったことではないが、現役閣僚が終戦の日に参拝するのは、実に4年ぶりのこと。昨年9月、現在の第4次安倍再改造内閣が発足した際、本サイトは“史上最悪の極右内閣”と評したが、まさにその体質がむき出しになったということだろう。
実際、参拝した閣僚の顔ぶれを見ると、そのほとんどが戦前回帰や人権否定、レイシズム肯定を叫ぶ、極右政治家だ。
たとえば、その筆頭が衛藤晟一・北方沖縄担当相だろう。そもそも衛藤氏は、学生時代には当時「大日本帝国憲法復元」を主張していた宗教団体・生長の家の活動家で、日本青年協議会の委員長を務めるなど、日本会議をその前身から支えてきた。政界入り後は、安倍氏を弟分として可愛がり、まさに“右派の家庭教師”として極右イデオロギーのイロハを叩き込んだとされる。
実際、若手時代には安倍氏らとともに「歴史・検討委員会」に参加。この委員会は、のちに「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」(教科書議連)に発展し、自民党内で慰安婦問題の否定など歴史修正主義の中心的役割を担ってきた。
日本会議国会議員懇談会の幹事長をつとめ、選挙でも日本会議の支援を受けている衛藤氏は、いわば、日本会議と現政権の“直接的窓口”だ。