進次郎の靖国参拝に「靖国よりモーリシャスに行け」の批判の一方、ネトウヨからは「よくやった」
もっとも、ここまで名前をあげてきた連中が終戦記念日に靖国神社を参拝したというだけなら、暴挙であるとはいえ、「沈没寸前の安倍内閣のバカ極右の暴走」として片付けることもできただろう。
しかし、見過ごせないのは、小泉進次郎環境相が参拝したことだ。進次郎は、新自由主義、親米タカ派、改憲論者ではあるものの、安倍政権の復古的な極右思想とは距離を置き、その“意識高い系の新世代”的なイメージでその人気を高めてきた。靖国についてはヒラ議員時代にたしかに毎年のように、参拝していたが、それがまさか閣僚になっている今年も、参拝するとは……。
永田町では、これは、父・小泉純一郎元首相を見習ったパフォーマンスではないか、といわれている。
純一郎氏は首相就任直後の2001年、終戦記念日である8月15日の靖国参拝をかなり早くから公言し大騒動になったが(最終的には、8月13日に前倒し参拝)、やはり筋金入りの極右思想の持ち主だったわけでもない。小泉元首相が終戦記念日の靖国参拝に固執したのは、「日本遺族会」などの右派団体と「靖国参拝」を確約することで、総裁選の支持を取り付けていたからだった。
以来、小泉元首相は在任中、毎年のように靖国を参拝し、国際社会から批判を浴びてきたが、在任中、右派からの強固な支持を受け続け、それが政権の安定につながっていた。
進次郎は今回、このやり方を見習ったのではないか、というのだ。圧倒的な国民的人気を誇っていた進次郎氏だが、官邸への結婚報告、安倍内閣での環境相就任、その後のセクシー発言や不倫スキャンダル発覚などで、人気は低下する一方。そこで、かつての父と同じく、右派にすり寄り、その支持を取り付けようと、閣僚でありながらの靖国参拝を強行した──。
実際、「小泉環境相が靖国参拝」というニュースに対して、まともな人たちは「靖国より、モーリシャスに行って重油流出に対応しろ」と批判しているが、一方でネトウヨ連中からは「見直した」「よくやった」「初めてまともな仕事した」などと称賛を集めている。