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安倍首相がIOCバッハ会長に五輪延期「最長1年、できれば年内」申し入れか コロナのリスクより自分の総理任期中を優先する身勝手

“年内延期”説は安倍首相が五輪直後に解散総選挙を打つためか

「安倍首相のもとで五輪をやる」ためだけに、ありえない年内開催を強行し、1400億円の放映権を税金で買うなんて、正気の発言とは思えないが、これ、田崎氏が個人的な意見で語っている話ではない。

 先に、官邸が“安倍首相の任期中に安倍首相のもとで東京五輪をやる”ために働きかけを行なっていると述べたが、田崎の今回の年内開催発言もそうした意向を受けてのものだ。実際、田崎氏は「1400億円で放映権を買う」という話についても、自民党議員から聞いたと語っていた。

「田崎さんは、森友・加計や『桜を見る会』など、政権の不正を擁護するときはトンデモなことを連発するが、政治日程や政局予測、官邸の狙いなどの解説については当たっていることが多い。そりゃそうだよね。毎日のように官邸幹部と連絡を取り合って情報をもらっているわけだから。今回も、任期中の五輪をやりたいという安倍首相の意向を受けて、官邸内でそういう議論があるんだよ。それで、世論を誘導するため、田崎さんにアドバルーンを上げさせたということだろう」(政治評論家)

 しかし、安倍首相の任期中に五輪をやるというだけなら、来年7月の1年延期でも可能だ。にもかかわらず田崎氏が年内延期を口にしたのは、もうひとつ安倍政権に狙いがあるからだとも見られている。それは、衆議院の解散総選挙との絡みだ。

 もともと安倍首相は東京五輪後、五輪成功の勢いのまま解散総選挙に打って出る予定でいた。しかし安倍首相の自民党総裁の任期が2021年9月で、衆議院の任期が10月のため、五輪がもし来年7月以降に延期になれば(パラリンピックは9月以降までかかり)、五輪・パラリンピック後に解散することが物理的に難しくなる。一方、五輪前の解散は、コロナが収束しているかどうかも不確定で、リスクが高い。

 つまり、安倍首相は五輪後に解散総選挙という政治的に有利な展開をつくり出すため、来年夏よりも「もうちょっと早めに開きたい」と考えており、田崎氏に年内開催説を語らせた可能性もある。

 実際、番組途中、恵がボードを指しながら「ここ(2021年7月)でやると、(安倍)総理はオリンピックのときに総理大臣ってことになる」と解説していると、田崎が「ただ、これ大事な1点が抜けてるんですよ」と口を挟み、こんなことを語り出す一幕があった。
「衆議院の任期満了が21年の9月(リテラ注:正しくは10月)なんですよ。そのまえにどっかの時点で解散総選挙が行われるわけですね」「(オリンピック前に)解散総選挙をおこなって安倍さんが勝てるだろうかということですよね。そこがいちばんのハードルになりますよ」

 これ、田崎が口を滑らせて安倍官邸の本音をぽろりとと漏らしてしまったということではないのか。

 もちろん、いくら安倍政権がトンデモな絵図を描こうと、今回はIOCやアメリカのテレビ局、スポーツ団体などの意向が大きいため、それがそのまま実現できるとは思えない。しかし、少なくとも、今回の田崎氏の発言で、安倍首相がいかに五輪を私物化しようとしているか、そして政権が東京五輪を“安倍サマの五輪”としか考えていないことがよくわかったはずだ。

 そもそも今回の東京五輪は、安倍政権が不正と詐術を弄し、被災地の復興を犠牲にして強行しようとしているものだ。追加費用のかかる延期などではなく、とっとと中止にすべきだろう。

最終更新:2020.03.24 08:14

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