産経新聞がホテルの匿名コメント「会費5千円あり得る」で必死の援護も、無理がありすぎ
実際、御用メディアである産経新聞は昨晩、「首相夕食会「会費5千円、個別領収書あり得る」ホテル関係者」という記事を配信。そこでは、〈会場となったホテルの関係者〉が「安くても受けることがあり得る」「例えば『総額でこれくらいで収めてほしい』という相談があれば、応じざるを得ない」などと証言し、こう語っている。
「注文を断れば収入はゼロになり、別の日への変更も不可能だ。スケールメリットなどを総合的に考える」
「参加人数で割れば、いろいろな金額になることはある」
この記事をもってネット上ではネトウヨが「これが実態」などと吹き上がっているが、まったく何を言っているんだか。予約が入りにくい閑散期や空きがあるときの直前予約などでは値引きすることもあるだろうが、たとえば安倍事務所が設定した今年の「桜を見る会」参加申し込みの締切が2月20日だったように、直前予約はありえない。また、「前夜祭」は毎年、平日のなかでも予約の入りやすい金曜日の夜におこなわれており、それでなくても4月は歓迎会も多い。つまり、「前夜祭」は閑散期でもなければ直前予約でもなく、「注文を断れば収入はゼロ」になるような割引案件ではないのだ。
さらに、17日放送の『サンデーステーション』(テレビ朝日)では、ニューオータニに22年間勤務し、営業や宣伝を担当した経歴をもつプリンシプル・ホテルコンサルティング所長の中山晴史氏が“ホテルのパーティは第一義的に食事で売り上げを立てようと考えるもので、5000円でメニュー構成しようとすれば、調理部門に突き返される”と証言。“どういう内容なら5000円であり得るか”という問いに対し、「若干の乾き物とおつまみ程度で、飲み物もビールひとり1本くらいで構わないというようなお話であれば」と答えている。
ようするに、5000円でそれなりの食事と飲み放題を用意することはホテル側にとっては常識はずれの大出血サービスであり、いくら宿泊者が多いからといって引き受けられるようなものではないのだ。
だいたい、「会費5000円あり得る」と主張するこの産経は、証言者も〈会場となったホテルの関係者〉となっており、ホテルの名前さえあかされていない。既報のとおり、安倍官邸はすでにニューオータニ幹部と“口裏合わせ”を済ませていると思われるが、この産経記事も、そうした流れのなかでつくられたのではないかと疑わずにはいられない。