京都市ステマツイートの背景には、闇営業問題でも言われた吉本興業と行政の癒着
さらに、今回の京都市のミキを起用したステマツイートの背景にはもう一つ、闇営業問題のときにも盛んに指摘されていた吉本興業と行政の癒着という問題もある。
吉本興業は近年、行政との距離を急速に縮め、各自治体のPR・広告事業を大量にゲットしている。ごく一例をあげると、吉本は大阪府、福島県、北海道などと包括連携協定を結び、所属芸人を自治体のPRイベントなどに派遣するほか、たとえば福島県では〈メディア等を通じた風評払拭、風化防止及び魅力発信に関すること〉なる、原発事故後のいわゆる“風評被害対策”などを請け負っている。
ほかにも、吉本は「あなたの街“住みます”プロジェクト」なる企画を行なっている。全国47都道府県に吉本芸人を「居住」(派遣)させてそれぞれの「魅力」を「発信」するというもので、市や区などバリエーションもある。これも当然、各自治体と契約を結んだビジネスだ。
地方自治体だけではない。本サイトでは繰り返し指摘しているが、近年の吉本は、安倍政権や日本維新の会との“蜜月”を背景とした政府関係の仕事が極めて多い。
たとえば、2017年には法務省のPRを吉本が会社をあげて請け負い、吉本芸人を大量投入。ダウンタウンが大阪万博誘致のアンバサダーになり、大阪市とも包括連携協定を結んだ。それ以外にも、さまざまな公的プロジェクトに吉本芸人が担ぎ出されるようになった。一方で、今年の大阪ダブル選のさなかの4月20日には、安倍首相がなんばグランド花月で吉本新喜劇に出演。闇営業問題で揺れていた6月6日には、今度は西川きよしら吉本興業所属芸人らが首相公邸を表敬訪問し、安倍首相の前でネタを披露したことがニュース番組で大きく取り上げられた。
さらに、今年6月には、大崎洋会長が沖縄県の普天間基地や那覇軍港など返還が見込まれる米軍施設・区域の跡地利用に関する政府の有識者懇談会メンバーに選ばれた。極めつきが、吉本がNTTと共同でおこなう教育コンテンツなどを国内外に発信するプラットフォーム事業参入に、経産省が作った官民ファンド「クールジャパン機構」が最大100億円出資するとしていることだ。