ポイント還元制度の広告費は60億円!経産省は本サイトの追及に取材拒否
こうした広報・宣伝費の巨額無駄遣いは経産省が担当する「ポイント還元制度」でも同様だ。こちらはなんと、宣伝広告費として60億円余りが注ぎ込まれるのだという。
本サイトは、経産省へも電話で数回にわたって取材を申し込んだが、同省キャッシュレス推進室は担当者の不在や多忙を理由に取材に応じなかった。
しかし、経産省がいくらごまかそうとしても、省のトップがこの巨額宣伝費投入の事実を認めていた。今年2月、当時の経産相・世耕弘成がテレビ朝日の報道にいちゃもんをつける流れの中で、つい、こうつぶやいてしまっていたのだ。
〈一般的な「広報宣伝費」であるポスター・チラシの配布、WEBや新聞、テレビを通じた広報、説明会の開催等にかかる予算としては、消費者向け、中小・小規模事業者向け合わせて、60億円強を計上しています。〉
世耕大臣は自慢げに語っているが、ポスター・チラシの配布に、広告、説明会の開催で60億円なんてどうかしているとしか思えない。
いずれにしても、事実関係ははっきりしたはずだ。内閣府14億円+経産省60億円。社会保障の充実を謳って消費税を増税しながら、安倍政権は本当に計74億円もの金を宣伝費に使っているのだ。
この事実を知ると、安倍政権はもしかしたら、社会保障の充実どころか、景気維持すらまともに考えていないのではないか。そんな気さえしてくる。
実際、74億円を使って宣伝するプレミアム付き商品券もポイント還元制度も、その制度自体に様々な問題点が指摘されている。
たとえば内閣府はHPで、プレミアム付商品券を〈25%もお得に買い物ができる〉と謳っているが、これは“ひとりあたり最大2万5000円分の商品券を2万円で購入できる”という仕組みだ。対象は住民税非課税の人と「学齢3歳未満の小さな乳幼児のいる子育て世帯」で、後者は3歳未満の子どものひとりにつき一枚、誕生日を一日でも過ぎていれば(2016年4月1日以前に生まれた子ども=引き上げ時に3歳半以上)対象にならない。有効期限も税率引き上げ後から6カ月に限定されている。言うまでもなく2%の増税はずっと家計を直撃し続けるわけで、これでは「一時しのぎ」との批判が出ても仕方がないだろう。
プレミアム商品券は2015年にも消費税率8%引き上げに対する「緊急経済対策」として実施されたが、内閣府の分析ですらその経済効果は予算額2500億円の半分以下(1019億円)、みずほ総合研究所は個人消費の押し上げ効果を640億円程度と発表していた。