ヘイトデモではさらに大量の旭日旗が! 差別扇動を後押しするメディアの責任
こうしたことは、ほとんどネトウヨ番組と化している『ワイド!スクランブル』だけの問題ではない。いま、マスコミや文化人は揃いも揃って、日本による侵略の史実や戦争犯罪の数々や、在特会などによるヘイトデモで旭日旗が無数に掲げられている事実に見て見ぬ振りを決め込んで、旭日旗問題を逆に「嫌韓キャンペーン」の“格好のネタ”として利用している。結果として、朝鮮半島の人々や在日コリアンに対する差別を扇動しているとさえ言える。極めて危険な状況だ。
繰り返すが、旭日旗問題は決して「韓国の言いがかり」ではない。戦中日本の帝国主義・軍国主義の象徴であることは、歴史的にも動かせない事実である。そして、政治権力が曲がりなりにも“平和の祭典”であるオリンピック・パラリンピックにまで旭日旗を持ち込ませようとしている事実は、明らかに、国民から戦前回帰的価値観への拒絶感を取り除こうとの思惑が透けて見える。
本来、メディアがなすべきは、そうした政権のどす黒い欲望を見抜き、徹底して批判することのはずだ。だが現実には、『ワイド!スクランブル』のように安倍政権に丸乗りし、あまつさえネトウヨデマまで垂れ流して、旭日旗問題を「嫌韓キャンペーン」にすり替えるマスコミがほとんどだ。
旭日旗に対するこうした政権のお墨付きやメディアの追認は、現実に差別扇動を後押ししている。実際、15日に錦糸町で行われたヘイトデモでは、これまで以上に大量の旭日旗が掲げられていた。政権とメディアの後押しを得て、明らかに極右ヘイト勢力が勢いづいている。
このままでは、本当に五輪会場で旭日旗が掲げられてしまうだろう。それが原因で衝突が起き、死傷者が出たらどうするつもりなのか。「嫌韓キャンペーン」を煽ってきた日本政府やマスコミは、責任が取れるのか。もはや腐りきっている。メディアが戦争を煽った暗黒時代は、過去の話ではないのである。
(編集部)
最終更新:2019.09.17 12:16