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古市憲寿の芥川賞候補作「無名の小説を参考」に山田詠美ら選考委員が「それってありな訳」と猛批判

参考文献の作者である木村氏が事情を説明しているのに古市は沈黙

 実際、同じ選考委員の高樹のぶ子は、参考文献問題には触れなかったものの〈ガラス拭きの肉体労働と、その主人公の想念がどうも融合していない〉と指摘。〈冒頭に、生まれることも死ぬことも出来ない島の説明があるけれど、命の問題というより、いかにもお洒落な記述に見えた。作者にとって本当に切実なものは何だろう〉としている。

 また、古市の「盗作・パクリ疑惑」を否定した「天空の絵描きたち」作者の木村氏も、その後、スポニチの「古市氏小説への批判に 参考文献作家が反論「違和感はありませんでした」」という記事をリツイートし、〈ぼくのツイートは、誤解や憶測に対する訂正であって、「選考委員の一部から批判が出ていることに反論した」わけではありません。〉としたうえで、こうツイートしている。

〈古市さんが、ぼくや窓拭きの達人に取材したことは、選考委員の方々は編集者から聞いていたと思われます。その上での批判は、題材に向き合う創作者の姿勢を問うていると思われ、これは創作者の誰もが自分のこととして一緒に考えるべきことでしょう。創作の根幹に関わるテーマだからです。もう言わない。〉

 そういう意味では、今回の問題は盗作や剽窃よりももっと根深いというべきかもしれない。盗作や剽窃はわかりやすいスキャンダルだが、この中身のない巧妙さは、古市の小説家としての根本的な姿勢に深く関わっているからだ。

 いったい、古市はこうした批判にどう答えているのか。しかし、当の古市は落選時には、〈ちーーーん。〉〈まただめだった!!!〉とツイートしていたが、選評が出て以降、「参考文献問題」についてはとくにツイートなどしていない。

 古市は、落合陽一との“高齢者の終末医療を打ち切れ”対談のときも、落合が反省コメントを発したのに対し、沈黙したまま逃げ切った。巻き込まれた木村氏だけに事情を説明させるのではなく、古市自身も何かしら発信するべきなのではないか。

最終更新:2019.08.22 12:32

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