小説、マンガ、ビジネス、週刊誌…本と雑誌のニュース/リテラ

menu

参院選終盤で自公維の改憲勢力3分の2超の可能性!「1回目の改憲ができれば、何回でもできる」と嘯く安倍側近

安倍御用・百地章は「まずは自衛隊明記、その後に自衛隊を軍隊に発展させる」

 そして、安倍首相をはじめとする改憲派のさらなる狙いは、まずは一度、憲法改正を実現させて、そのあとに本丸へと切り込もうというものだ。

 実際、安倍首相の側近議員も、その「戦略」を語っている。

 それは、2018年1月に櫻井よしこ氏が理事長を務めるシンクタンク「国家基本問題研究所」が開催した月例研究会でのこと。「憲法改正を阻むものは何か」をテーマに、櫻井氏のほか安倍応援団の長谷川三千子氏、産経新聞の田北真樹子氏、日本会議政策委員で憲法学者の百地章氏、杉田水脈参院議員、そして当時財務副大臣だった自民党の木原稔・衆院議員が登場した。

 木原議員といえば、百田尚樹の「沖縄の2紙を潰さなあかん」などの言論弾圧発言が飛び出し問題となった自民党の「文化芸術懇談会」代表で、2017年には“「子供たちを戦場に送るな」と主張することは偏向教育、特定のイデオロギーだ”と糾弾、自民党HP上にそうした学校や教員の情報を投稿できる“密告フォーム”の設置を実施していた人物である。

 この安倍シンパ・極右勢揃いの会のなかで、日本会議政策委員で憲法学者の百地章氏は、安倍首相による「9条加憲案」について、こう意見した。

「70年間一度もできなかった憲法改正という大事業を、私どもの力でやり遂げれば、この成功体験は必ず次につながる」
「目標としてはいずれは軍隊を持つようにしないといけないと思いながら、まず第一歩として、自衛隊を明記しよう。そこから、さらに議論をしていく中で、やっぱり自衛隊を軍隊にしなくてはいけないという形に発展する。それを私ども期待していますし、大事なことは自衛隊明記派と二項改正派の人たちが大同団結することです。これができなかったら、勝てません」
「安倍さん自身が一番、そういう苦渋の選択をされていると思います。その線で行くしか憲法改正は実現できないと思っています」

 改憲派の本音がダダ漏れの発言だが、しかし、この発言に対し、木原議員は「百地先生に踏み込んだ発言をしていただきました」と否定もせず、“私の理想は2012年の自民党改憲草案、二項を削除する改憲案”だと述べた上で、こんな話をはじめるのである。

「しかし、安倍総理が、二項を残すという決断をされました。それは、いろいろなことを慮ってのことです。選挙は勝たなければいけません。国民投票も勝たないと意味がない。改正もされない。
 もし、憲法改正は一回しかできないという法律なら、二項削除で戦うしかないと思っています。しかし、憲法改正は何回でもできる。一度、改正に成功したら、国民のハードルはグッと下がると思います。そして、一回目の改正を成功させたあとに、二回目の改正、三回目の改正と、積み重ねていけばいいと思っています。最終的には前文も当然、改正しなければいけない。そこで、一回目の改正を、しかも今年に成功させるためにはどうすればいいか。私も政治家ですから、安倍総理と同じ考えです。政治家は結果を出さなければいけません。評論家でもなく、宗教家でもないし、学者でもありません。結果を出すにはどうすればいいかということを最善の判断基準にしたいと思っています」

 ようするに、“「自衛隊明記」で改憲してしまって、その後は前文も含め、何回も改正していけばいい”“まずは改憲を成功させることが大事”だと安倍首相は考えている、と公の場で木原議員は認めたのである。

 安倍自民党はこの選挙戦でも「自衛隊明記」の改憲について「これまでの9条の解釈は変えない」と主張している。だが、この木原議員の発言をみれば、それが国民を騙すための大嘘だということがわかっていただけるだろう。

 そして、安倍首相が本当に目指す改憲とは何なのか。たとえば、安倍首相は2012年に総理に返り咲く数カ月前、こんな物騒なことを堂々と口にしていた。

「わが国の領土と領海は私たち自身が血を流してでも護り抜くという決意を示さなければなりません。そのためには尖閣諸島に日本人の誰かが住まなければならない。誰が住むか。海上保安庁にしろ自衛隊にしろ誰かが住む」
「まず日本人が命をかけなければ、若い米軍の兵士の命もかけてくれません」(「ジャパニズム」青林堂、2012年5月号での田久保忠衛・日本会議会長との対談)

 また、2002年には、早稲田大学で開かれた田原総一朗氏との対話のなかで「憲法上は原子爆弾だって問題ではないですからね、憲法上は。小型であればですね」と発言(「サンデー毎日」02年6月2日号/毎日新聞出版)。第一次政権時の2006年には「核兵器であっても、自衛のための必要最小限度にとどまれば、保有は必ずしも憲法の禁止するところではない」と答弁書に記している。

 戦争ができる国、核兵器を保持できる国へ──。安倍自民党がこの参院選で勝てば、「改憲4項目」を手始めにして、安倍首相が夢見る国をかたちづくるべく憲法改正を好き勝手に繰り返すという悪夢が、まさに現実になってゆくだろう。

 それにストップをかけるか、暴走を許すか。それが問われているのが、今回の選挙なのだ。

最終更新:2019.07.21 10:14

関連記事

編集部おすすめ

話題の記事

人気記事ランキング

カテゴリ別に読む読みで探す

話題のキーワード

リテラをフォローする

フォローすると、タイムラインで
リテラの最新記事が確認できます。

プッシュ通知を受け取る 通知を有効にする 通知を停止する