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大坂なおみが日清ホワイトウォッシュ問題を「気にしてない」「なぜ騒ぐ?」は誤報道!別の質問への回答を歪曲・誤訳

朝日も時事通信も発言を“誤訳”して「騒ぐ必要ない」とミスリード

 それはともかく、大坂選手の発言は、「西洋と日本のマンガ表現をめぐる文化的齟齬」というかなり専門的なことを「初めて」問われて、ちょっと困惑しながら、その問題に自分が答えられない理由を「関心を払ってこなかったから」と弁明したに過ぎない。

 質問自体は、マンガやアニメによる記号化の過程で生じる差別の問題と日本文化の特殊性を表出させる意味のあるものだったと思うが、マンガ・アニメの専門家や比較文化の研究者ではなくテニスプレーヤーである大坂選手にとっては、非常に困難な質問で、こういう答えになるのは当然と言っていいだろう。

 ところが、時事通信はこの発言を〈日清食品のアニメ広告で同選手のキャラクターの肌の色が実際より白く描かれ批判が起きた問題について〉、大坂選手が「気にしていない」「なぜ騒いでいるのか分からない」と言ったと配信し、朝日新聞も〈日清がホワイトウォッシュ批判を受け動画削除したことについて〉、「この件についてはあまり関心が無いし、悪く言いたくない」と言ったと書いたのだ。

 しかも、両社の報道には、実際の発言とは明らかに違う日本語訳をつけている部分もあった。たとえば、時事通信は「気にしていない」と大坂がまるで「I don’t care」あるいは「I don’t mind」と言ったかのようなニュアンスで報じているが、該当する大坂選手の発言は「I haven't really paid too much attention to this」で、マンガ文化の問題に「あまり関心・注意を払ってこなかった」と訳すのが正しいだろう。

 また、朝日新聞がホワイトウォッシュCMについての発言として「悪く言いたくない」と訳したセリフも、実際は「I don't really want to say anything wrong at this point.」と言うもの。専門外であるマンガ文化の問題について「私は間違ったことを言いたくありません」と言っているだけなのだ。

 これらを総合すると、時事通信、朝日の報道は明らかに、差別問題を矮小化するために、意図的に誤訳をし、「大坂なおみ自身は気にしていない」「騒ぐほうがおかしいと感じている」というふうにミスリードしていったとしか思えない。 

 実際、日清ホワイトウォッシュ問題についての大坂選手の発言は海外メディアも報じているが、時事通信や朝日新聞のように「気にしていない」「なぜ騒いでいるかわからない」という部分を見出しに取ったり、記事で取り上げている報道はほとんどなく、「I’m tan(私の肌は褐色)」「次に私を描くときは報告するべき」という発言しか取り上げていないものばかりだ。

 そもそも、ことさら「気にしていない」という部分をクローズアップしているところに、日本メディアの「問題視しなくていい」という意識が感じられる。そして、記事の誤訳とミスリードはそうした意識の延長線上ででてきたものだ。

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