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大坂なおみが日清ホワイトウォッシュ問題を「気にしてない」「なぜ騒ぐ?」は誤報道!別の質問への回答を歪曲・誤訳

大坂なおみが日清ホワイトウォッシュ問題を「気にしてない」「なぜ騒ぐ?」は誤報道!別の質問への回答を歪曲・誤訳の画像1
ニューヨークタイムズ電子版1月22日付より


〈大坂なおみ選手「気にしていない」=アニメ広告、肌の色批判で〉(時事通信)
〈大坂なおみ、アニメ動画批判「なぜ騒ぐ?」逆質問も〉(朝日新聞)

 大坂なおみ選手のホワイトウォッシュ問題をめぐって、こんなカウンター記事が、25日、相次いで配信された。時事通信のほうの記事はYahoo!トピックスでも取り上げられ、一気に拡散した。大坂選手自身はホワイトウォッシュを気にしておらず、なぜ騒ぐのかと逆に疑問を投げかけたというのだ。

 だが、大坂なおみ選手は実際の会見では、報道されたような文脈でこうした発言は行っておらず、時事通信や朝日新聞の記事は、誤訳もしくはミスリードとしか思えないものだ。

 改めて経緯を振りかえると、この問題はテニスの大坂なおみ選手を起用した日清食品ホールディングス(以下、日清)のアニメCMが、「肌の色が実際より白く描かれている」「髪の毛の色も実際より茶色」などの指摘を受け、公開を停止したというもの。

 周知の通り、米紙ニューヨークタイムズ(22日電子版)が、SNSなどでCMに批判が集まったなどと報道したことを受け、日清は動画を削除。日清の広報はNYTに対して「ホワイトウォッシュのつもりはありません」と釈明しつつ、配慮が欠けていたとして大坂選手に謝罪したという。

 ホワイトウォッシュ(whitewashing)は、ハリウッドなどの映画業界で、アフリカ系やアジア系(有色人種)の役に白人を当てること、あるいは有色人種の肌の色を明るくすること(白人化)を指し、多様性を認めない人種差別として問題視される行為だ。実際、日清のCMのなかでアニメ化された大坂選手は、明らかに肌の色が実際よりも明るく描かれており、そうした批判があがるのは当然だろう。

 ところが、日本国内では今回のホワイトウォッシュ批判を、逆に批判する声が少なからずあがっている。特に、冒頭のような大坂選手が「気にしてない」「なぜ騒ぐ?」と言ったとされる記事が配信されると、その声はより強くなった。

 Twitterでは〈大坂なおみ選手が気にしてないのなら外野が騒ぐべきではない〉〈前のまっちゃんの指原への発言もそうだけど、 当人が気にしてないならいい〉〈多分、大坂なおみ選手の肌が白い!!って騒いでる人たち自身が無意識にめっちゃ差別してるパターンじゃないかな〉〈ああくだらない。黒く書いたら騒ぐのもいるだろうし〉〈本人が気にしていないと言っているのに、「白いー!!大坂は黒いだろー!!」って、そっちの方が差別みたい〉などといった投稿が相次いでいるのだ。

 つまり、本人が「気にしていない」のに差別だと問題化するのはけしからん、という主張だ。

 だが、ホワイトウォッシュの問題は、歴史的に議論されてきたものであり、ほかの多くの差別問題と同じく社会全体の問題で、その当事者(今回の場合は大坂選手)が気にするかどうかだけの話ではない。大坂選手を白人のように描いたCMは、アフリカ系をはじめ有色人種の人間に対して、あなたの肌の色は白に改変されるべきもの、劣ったものという誤ったメッセージを送ることになる。

 それを「本人が気にしていないから構わない」とは、呆れるくらいの意識の低さではないか。

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