まるで戦中の非国民狩り!パス回しを批判した野村周平や足立梨花は炎上状態に
賭けてもいいが、日本がポーランドに1点取られた時点で、もしセネガルとコロンビアが引き分け狙いでパス回していたら、いま、日本代表を「大人の戦略」「成熟した」などと賞賛しているメディアは「卑怯」と両国を大批判していただろう。
しかし、恐ろしいのは、この根拠も中身もない日本代表肯定論が大手を振ってまかり通っているというだけではない。少しでも日本代表に異論を唱えようものなら、「日本代表の足を引っ張るのか」「日本を背負ってくれている選手に失礼だ」、さらには「日本を応援しない非国民」などと総攻撃を受け、炎上する状態となっていることだ。
実際、俳優の野村周平や足立梨花は、たんにツイッターで戦術としてパス回しを批判しただけなのに、「頑張った選手たちに対して失礼だと思います」「影響力のある人がこういうことを言うのは残念」「決勝に進出したことに対しておめでとうの一言も言えないのはどうかと思います」などと批判が殺到。野村周平は謝罪に追い込まれ、反論し続けた足立梨花は「逆ギレ」などとさらに非難を浴びた。
その結果、メディアや社会全体が日本代表を批判してはならないという空気に覆われてしまった。
元大阪市長の橋下徹は〈ポーランド戦の最後のパス回しを批判するのは頭の悪い証拠。緻密な状況分析による最高の戦術。そして指揮官西野監督の勇気と胆力。あそこで勝負するのは太平洋戦争に突入した日本軍と同じ〉とツイートしていたが、頭の悪いのは橋下のほうだ。サッカーの試合で攻撃的に行くことと、太平洋戦争はなんの関係もない。むしろ、この日本代表を批判するものは非国民という空気、決勝トーナメントに行ったんだから文句を言うなという結果オーライのメンタリティこそが、太平洋戦争を引き起こしたのではないか。
(エンジョウトオル)
最終更新:2018.07.02 11:22