モンゴル八百長告発の裏に、貴乃花親方周辺からのリーク
とまあ、こんな感じで、いま、出てきている白鵬バッシング、モンゴル力士バッシングは確たる根拠のない言いがかりとしか思えないものがほとんどなのだが、問題は、なぜ、各メディアが一斉にこんな情報を流し始めたか、だ。背景にはやはり貴乃花サイドのリークがあるようだ。
「貴乃花は表向き、マスコミの取材には一切答えていませんが、側近や相談役的存在の元検事、後援会幹部がモンゴル叩きの情報を流しているようです。さらにメディアによっては、貴乃花本人がしゃべっているケースもあると聞いています。それと、母親の藤田紀子さんもかなり白鵬批判や八百長説を流していますが、これも絶縁状態とはいえ、貴乃花は息子ですからね。側面支援の意味合いが強い」(週刊誌記者)
貴乃花といえば、周知のように、モンゴル人力士批判の急先鋒。“相撲は日本の伝統、国技なんだから日本人だけでやるべき”というガチガチの国粋主義的信念の持ち主で、貴ノ岩の入門まで外国人力士は入門させないという排他的な方針をとってきた。朝青龍が優勝パレードでモンゴル国旗を掲げた際、引退会見でモンゴルへの感謝を語った際は、日本への敬意がないと批判したこともある。
その貴乃花がこのところ、“日本の相撲の伝統を汚す存在”であるかのように目の敵にしてきたのが、白鵬だった。ことあるごとに白鵬の横綱としての資質に疑義を呈し、白鵬がモンゴル国籍のまま一代年寄りになり相撲協会に残りたいという希望をもっていることが報じられた今年3月には、「日本で生活して、日本で名を上げた。(白鵬が)日本で育てられた力士という見解を持ってくれると、皆さんも喜ぶのではないですか」と、あたかも日本国籍をとることを強制するような発言までしている。
「2015年12月に白鵬が会長を務める力士会が、相撲協会に対して巡業中の休養日増加や肉体ケアの充実、金銭面などの待遇改善を要求する提案書を出したとき白鵬が『協会は土日休んでいる』と言ったのに対し、貴乃花が『協会上層部は師匠と思え』などと白鵬を批判したこともありましたが、そのあたりから、貴乃花の白鵬、モンゴル憎悪がエスカレートしていった。巡業中の取り組みで白鵬や日馬富士の順番になると巡業部長の貴乃花が引き上げてしまうのは有名な話だし、巡業先へのバス移動中、高速道路のパーキングエリアで、バスに戻っていない白鵬を置き去りにしたまま、バスを出発させたり、やはり巡業中、『いっしょに泊まりたくない』といって、白鵬を自分と違うホテルに泊まらせたりと、子どもじみた嫌がらせまでするようになっていた。同時に、モンゴルが八百長をやってるというようなことをしきりに言い始めたんです」(前出・ベテラン相撲記者)
ただ、モンゴル人力士が組織的に八百長をしているという疑惑については、前述したように根拠がなく、貴乃花の思い込みに近い。
「貴乃花は若貴との兄弟喧嘩の際も、マスコミに父親と若乃花から八百長を強要されたことをほのめかしたが、あれも実際は貴乃花の洗脳問題や相続争いがきっかけで、八百長は後付けだった。貴乃花は気に入らないことがあると、八百長や相撲道のような話にすり替える傾向があるんですよ。モンゴル問題でも、貴乃花の言動を見ていると、八百長問題よりも先に、モンゴル人力士の存在が気に入らない、相撲は日本人だけでやるべき、という思想が最初にあるとしか思えない」(前出・ベテラン相撲記者)