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橋下徹が都構想批判の学者を出演させるな、とテレビ局に圧力!安倍との言論封殺コンビで次は…

 内容は、大阪の文書と同じく「公平中立」をタテマエとした“お願い”だ。しかし、受け取った側は露骨な“圧力”だと認識した。なにしろ、“指示”内容が〈出演者の発言回数及び時間等については公平を期していただきたい〉〈ゲスト出演者の選定についても公平中立、公正を期していただきたい〉などとあまりに具体的だったからだ。とくに分かりやすかったのが〈街角インタビュー、資料映像等で一方的な意見に偏る、あるいは特定の政治的立場が強調されることのないよう、公平中立、公正を期していただきたい〉という要求だ。この一文には、安倍首相の個人的な“恨み”が隠されていた。

 というのも、解散表明のあった昨年11月18日、TBSの『NEWS23』に出演した安倍首相は、VTRの街頭インタビューで一般国民が「景気がよくなったと思わない」「全然アベノミクスは感じてない」と答えるのを見て、「(テレビ局の)皆さん、(人を)選んでおられる」「おかしいじゃないですか!」とキレまくり、そのことが逆にネットで批判されるという一幕があったからだ。この問題はつい最近、3月3日の衆院予算委員会でも取り上げられた。

 民主党の大串博志議員がTBSでの“事件”があった2日後に問題の“要請文”が出されたことを指摘して、「安倍政権では国民に情報が開示されていないのではないかという疑念がある。メディアに対していろんな圧力があるのではないか」「個別の番組の編集をおかしいというのは言論弾圧ではないか」と追及したのだ。すると安倍首相は例のごとく色をなしてこう反論した。「その場でおかしいと思ったから国民の前で言った。圧力ではない。私の考えを述べるのはまさに言論の自由だ」「前提として、いったい何人に聞いたのか。不偏不党な放送をしてもらいたいのは当然だ」「選挙を前にしてイメージ作りは困る」「(発言は)何の問題もない」。

 しかし、『NEWS23』の放映内容は不偏不党どころか、世論調査よりアベノミクスを評価する意見の比率が高いもので、安倍首相の怒りは明らかにイチャモンとしか思えないものだった。

「安倍首相の性格を考えると、おそらく、テレビで自分がムキになってしまったことを正当化するために、側近に要請文を出すことを命じたんじゃないでしょうか」(政治評論家)

 だが、この理不尽なイチャモンにもかかわらず、自民党の“要請文”は功を奏した。なかでも〈過去においては、具体名は差し控えますが、あるテレビ局が政権交代実現を画策して偏向報道を行い=中略=大きな社会問題になった…〉と暗に名指しされたテレビ朝日への“萎縮効果”はてきめんだった。直後に放映された解散総選挙をテーマにした『朝まで生テレビ!』では、出演の決まっていた荻上チキ氏、小島慶子氏ら評論家、文化人を「公平性が担保できない」としてドタキャンする事態が起きた。現場は相当抵抗したが、結局、局の上層部に押し切られ、政治家と司会の田原総一朗氏、局コメンテーターだけの出演になった。

 こうした圧力行為が「イスラム国」人質事件での異様な“安倍批判封じ”につながったことは明らかだ。人質事件発覚の翌日はテレビのみならず新聞までが「安倍政権の人道支援は不可欠。毅然として向き合っていくべき」「(安倍政権の人道支援は)『イスラム国』との戦闘に力点を置いた支援ではない」といった論調で埋め尽くされた。テレビでは政府の対応に少しでも疑問のコメントを挟もうとすると、すかさずMCが打ち消すという始末だった。

 ジャーナリストの常岡浩介氏は「イスラム国」と独自のルートを持っていることから、当初、テレビ各局から引っ張りだこだった。ところが、番組内で「人質は救出できたはずだ」という発言を繰り返していたため、本番前にディレクターから「あの発言はやめて欲しい」と言われたという。「それでは僕はしゃべることがありません」と反論すると、「でしたら、お帰りになってください」とドタキャンされた。別のキー局の朝番組では露骨に「政権批判はやめて欲しい」と言われた。生放送だったので、そのまま政府の対応を批判すると二度と呼ばれなくなったという。常岡氏はこうした経緯をツイッター等で明らかにしている。

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