『医者が教える行ってはいけない病院 間違いだらけの健康法』(洋泉社)
「医者から出された薬はきちんと飲む」「風邪を引いたら風呂に入ってはいけない」「健康診断は必ず行く」
特に考えるまでもなく守っている病気対策や健康法。しかしそれが、間違っているとしたら……。
『医者が教える行ってはいけない病院 間違いだらけの健康法』(洋泉社)では、著者で東京有明医療大学教授・東洋医学研究所付属クリニック自然医療部門担当の川嶋朗氏が、そのような間違いを丁寧に指摘し解説している。
まずは医師が出す薬についてだが、「風邪に抗生物質を出す医者はダメ医者です」とバッサリ。逆に長引く可能性も指摘する。
「風邪で抗生物質を飲むことには意味がありません。抗生物質はバクテリアに対して効きますが、風邪はウイルスですから、種類が違います。それどころか、抗生物質を飲むと腸内の善玉菌まで死滅してしまい、免疫力が堕ちます」
川嶋氏は、「薬は風邪を治すのではなく症状を抑えるだけですが、それでも飲みますか?」とデメリットを説明する医者にかかることを薦めている。さらに、「病院に行くより、家で休んでいるほうがよい」とまで断言。薬が風邪を長引かせる危険性を指摘している。
「風邪で鼻水や咳が出たり、熱が上がったりするのは、体が必死にウイルスを外に出すために機能しているということです。鼻水や咳を止めたり、熱を下げたりすると、ウイルスは『しめしめ、居心地がよいぞ』とばかりに長居してしまいます」
ほかにも、飲み続けることを薦めない薬として胃薬を上げているが、その理由が、「やめるのが大変だから」だという。
たばこも酒もやめないうちから胃薬に頼ったり、本当はそうでもないのに胃が弱いと思い込んでいる人、飲まないと胃が痛くなるのではと不安で飲み続ける人が多いそうだ。該当する人はどうすればよいのだろうか。
「まず同じ胃酸を抑える薬でも、現在飲んでいる薬より、弱い薬に替えます。同時に、胃の粘膜を保護するような薬もプラスして飲みます。これで胃酸が過剰に分泌されても、胃の壁を守ってくれます。様子を見ながら、徐々に薬を切り替えて、最終的にだんだんと薬をやめる方向に導くことになります」