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選考委員の藁人形つくった! 芥川賞落選・小谷野敦の恨みツイートがすごい

「だいたい小野のあの健全な顔つきは文士の顔じゃないよ」とルックスにまでダメ出ししたかと思えば、「立教大給料良さそうだしなああああ。金のあるやつにしか金はやってこないのだ」「実質二千万くらい。」と立教大の文学部准教授である小野の給料をうらやむ。

 さらに小谷野の批判の矛先は、当然ながら自分を落選させた選考委員たちにも向かう。

「要するに選考委員が文学が分かってないやつらばっかりってことだ」
「文学ってのは切れば血の出るもんだよ。今の選考委員は血を見たくないらしい」
「通俗作家どもが純文学の選考委員するんじゃねえよ」
「石原さんがいなくなって悪くなったな」
「やつらにひとかけらの誠実さがあるかと期待したのは間違いだった。」

 ついには、選考委員たちへの復讐を企むようなツイートまで始め、こうつぶやくのだ。

「わら人形五個できた。あとは五寸釘」

 芥川賞の選考で落とされたことを恨み、川端康成を「刺す」と抗議した太宰治を彷彿とさせるではないか。実はコレ、車谷長吉が芥川賞落選の恨みを綴った短編「変」の「私は金槌と五寸釘と人形を持って、深夜の道を歩いていた。旧駒込村の鎮守の森・天祖神社へ丑の刻参りに行くのである。私は私の執念で九人の銓衡委員を呪い殺してやる積もりだった。」という一節のパロディらしい。ちなみに現在芥川賞選考委員は9人、車谷は9人全員呪うつもりだったようだが、小谷野のターゲット5人は一体誰なのか気になるところだ。

 しかも、復讐はわら人形だけではない。「選考委員たちが乗った飛行機が無人島に不時着するという小説を構想している」という。これも、直木賞選考委員が皆殺しにされるという筒井康隆の小説『大いなる助走』を意識してのものだろう。怒りに任せているようで、さすが芸が細かい。
 
 そうかと思えば、芥川賞への並々ならぬ執着心を吐露してもいる。

「せめて正賞の時計がほしいと思ってヤフオクで探してるんだけどないんだよね。誰かくれないかな。」
「まあ「大学の専任になったら大変だよ」と言われてもやはり専任を夢見るのと同じような。」
「52歳以上で落選してその後とった例はないのでな。」
「若い人は未来があるからいいよね。」

 もちろん純文学作家なら誰しも芥川賞は喉から手が出るほど欲しいだろうが、ここまで「芥川賞欲しい」と公言する作家もなかなかいない。意外と素直なんだなとさえ思えてくる。 

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