実際、「マルコポーロ」事件では、フォルクスワーゲン、カルティエジャパン、マイクロソフト、フィリップモリス、三菱自動車などが次々に「マルコポーロ」への広告出稿中止を表明。さらに、「文藝春秋」「週刊文春」「CREA」「Number」など、文春の他の媒体への広告を停止すると宣言する企業も出てきた。
「週刊ポスト」のケースも同様だ。SWCはこのとき、松下電器産業(現パナソニック)、トヨタ自動車、日産自動車、本田技研工業、マツダ、サントリー、キリンビール、住友商事、マスターカード、フィリップモリスの10社に広告出稿中止を求めたのだが、ほとんどの会社が中止要求に応じざるを得ないということを内々に小学館に伝えてきたという。
ようするに今回、産経がユダヤ謀略本の広告を掲載しただけで、あそこまでの大きな謝罪を出したのも、この広告引き上げを恐れたからなのである。
差別的な嫌韓本を出版し、日本の戦争犯罪を声高に否定しながら、一方でユダヤ団体の抗議には「金」の問題で平謝り。こういう態度をみると、産経のゴリゴリ右派路線も実は何か思想があってのことではなく、ただの金儲け、拝金主義にすぎないという気がしてくるのだが……。
(小石川シンイチ)
最終更新:2017.12.09 05:04