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箱根駅伝優勝の青学・原監督はチャラいセリフで選手を鼓舞していた!

 大八木監督と違うベクトルの厳しさを感じるのが、東洋大・酒井俊幸監督。イケメンというよりはかわいい系の見た目とは裏腹に、立ち振るまいは非常にクールで、2012年の全日本駅伝では区間賞を獲得した5区の高久龍に対して「いい走りをした」と評しながらも「あくまで駅伝ですから、先頭に立たないことには、責任を果たしたことになりません」とコメントしている(『勝利の名言』)。そんな冷静を通り越してドSな酒井監督、『駅伝女子~』では「鉄紺騎士団と冷徹な姫」と評されている。30代男性をつかまえて「姫」って……という感じだが、一目見れば納得するはずなので、ぜひ選手に紛れる姿を探してみてほしい。

 早大・渡辺康幸監督は、ふっくらした見た目通りの親しみやすいキャラクター。2010年には食べずに飲むだけという過酷なダイエットでピーク時より体重を12キロも減らしたというが、その理由は「箱根駅伝で優勝して胴上げをされるため」(しかしすぐにリバウンド)。また、『勝利の名言』においては「柏原が迫ってくる80分間、これは本当に地獄ですよ」「いやあ、柏原が卒業して本当に助かりました」と本音をぶっちゃけており、「おいおい、しっかりしてくれ!」とツッコミたくなるが、どこか憎めない、愛され系の監督だ。残念ながら今年で退任ということで、最後はぜひ、笑顔で胴上げされる姿が見たいです!

 青学・原晋監督は選手思いの優しい監督である。また、青学のイメージどおり考え方もイマドキな様子。レース中のサングラス着用の是非を問うた『スポーツ報知』の連載「箱根駅伝への道」(2014年3月6日)では、「故郷の両親や恩師に頑張っている顔を見せるべき」(東洋大・酒井監督)、「学生らしいスタイルで走るべき。ただ、選手がしっかりした理由を持って『使用したい』と言ってきたら考えます」(駒大・大八木監督)などの意見があるなか、「ファッションでもいいでしょう。駅伝は泥臭いスポーツですが、おしゃれにスマートに走る。それが青山学院のスクールカラーであり、チームカラーですから」と答えている。また、『大学駅伝決算号 2013-14』(ベースボール・マガジン社)によると、選手に対して「中継所で彼女が待ってるんだろ! 区間賞くらい取っていけ!」と檄を飛ばしたこともあったという。さすが青学、チャラいぞ(褒め言葉)!

 10区間で合計217.1Kmを走り切る箱根駅伝。ここまで挙げたような選手の関係性や監督のキャラクターを知っていると、ついつい萌え目線で鑑賞してしまうのだが、もちろんスポーツとしてもちゃんと楽しみたい気持ちはある。そこで、各大学の戦略などを調べておこうと『月刊陸上競技増刊 箱根駅伝公式ガイドブック』(陸上競技社)を開いてみた。が、東洋大2年・服部弾馬の趣味が裁縫であるという事実を知り悶絶。「男子大学生が裁縫ってかわいすぎるだろ~!」と、やはり萌えが優先されてしまうのであった。
(野島花)

最終更新:2017.12.09 12:02

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