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鎖国を止めたのはビール飲みたかったから!? マッサンもびっくりの酒トリビア

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『マッサン』効果でお酒人気も上昇!?(画像はNHK連続テレビ小説『マッサン』NHKオンラインより)


 9月からはじまったNHK連続テレビ小説『マッサン』が好調だ。ニッカウヰスキーの創業者である竹鶴政孝をモデルに、スコットランド出身の妻と手を取り合って、北海道余市で“日本のウイスキー”造りに挑戦するストーリー。この『マッサン』効果なのか、ウイスキーの売上も伸びているのだとか。酒の消費量が減少し、このところ元気のなかった酒業界で、久々に明るい話題として期待が寄せられている。「若者の酒離れ」などが叫ばれる昨今だが、まだまだ人の生活に酒は欠かせないツールだ。

 それもそのはず、歴史のそばにはいつも“酒”があった。酒にまつわる知られざる歴史トリビアも無数にある。たとえばヨーロッパでワインを中心とした歴史をひもとくと、中東からブドウの木を運び、ヨーロッパにワイン文化を広めたのは十字軍だったと言われている。日本なら無論、日本酒だろう。我が国の歴史と深く関わる日本酒のアレコレを紹介した『日本史がおもしろくなる日本酒の話』(上杉孝久/サンマーク文庫)から、酒好きも歴史好きも夢中になる、日本酒トリビアを学んでみよう。

 まずは日本酒のルーツをひもとこう。じつは最古の日本酒は、なんと「口の中で造られた」のだという。「口嚙み酒」というその製造法は、米を噛んで口の中で粥状にしたものに野生酵母をつけて発酵させ、酒にしたという。縄文時代の後期には稲作文化が始まっていたと本書にはあるので、じつに約4500年前には酒の文化がスタートしていたことになる。余談ではあるがこの口嚙み酒、神事の際に巫女が造っていたらしい……一部の人には大ウケしそうである。先日、メルシャンが開催した「日本ワイン」のイベントがニュースで報じられ、うら若き女性が裸足でワインを踏む様子にネット住民が歓喜したようだが、この口嚼み酒も、同様の反応が出てきそうだ。当時の人々がそこに興奮をもよおしていたかは定かではないが。

 現在の日本酒の原型に近いものは、渡来人が麹で発酵させる酒造りの方法を伝えたことでできた「天甜酒(あまのたむさけ)」だと本書にはある。この造り方は、麹を加えてから、天然の酵母を取り入れてアルコール発酵させる二段仕込みの醸し方。野生の酵母を使っておいしいお酒を醸すのは至難の業と筆者は語っている。しかし、うまく発酵させることができれば、大変に農醇で酸味の強いお酒になるという。これは是非とも飲んでみたい!と思った方は「生酛造り」「山廃」といった名がつく日本酒を探してみよう。それらは蔵に住み着く野生の酵母を使った酒で、いわば現代の天甜酒。運良く出会えたなら、悠久の時の流れを味わえるかもしれない。

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