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仲間由紀恵を公安がマーク!? ドラマの話じゃなくて!

 いまから約130年前の出来事だが、こうした歴史的経緯などから、沖縄では常に「独立論」がくすぶっていた。その代表的論者である沖縄出身の松島泰勝・龍谷大学教授は『琉球独立への道 植民地主義に抗う琉球ナショナリズム』(法律文化社)の中で次のように主張している。

〈日本政府は軍隊を用いて琉球国を併合し、国王を東京に拉致した。琉球人を差別し、太平洋戦争で琉球を捨て石にした。戦後の米軍統治、1972年の「復帰」も住民投票という正式な手続きを経て実現したものではない。今も基地の押しつけ、国主導の開発、日本企業による搾取等があり、琉球は日本の植民地である〉

〈琉球国として約600年、独立しており、現在も自分が日本国民であることに違和感を覚える人、自分を日本人ではなくウチナーンチュ(沖縄人、琉球人)と自覚する人が多くいる〉

 もちろん、沖縄でもこうした訴えが主流になることはなく、酒を飲みながら交わされる類の話だという意味を込めて「居酒屋独立論」などと呼ばれていた。

 とはいえ、日本の国土全体でみればわずか0.6%の沖縄に在日米軍基地の70%以上が押しつけられている差別的状況が一向に変わらず、普天間飛行場の辺野古移設まで強行されることを受け、「沖縄独立論」は以前よりはるかに真剣に語られるようになっている。

 2007年に琉球大学が沖縄県民を対象に実施した世論調査では「独立支持」が約21%。13年5月には、沖縄の識者や研究者らが独立を前提とした研究や国際機関への訴えなどの取り組みを進める「琉球民族独立総合研究学会」が発足した。ネット上では、こうしたムーブメントにネトウヨ連中が激しく反発しているが、かつての「居酒屋独立論」とは違ったムードが沖縄でじんわりと広がっているのは間違いない。

 そうした中、大物女優の仲間由紀恵が「沖縄独立論」という「危険思想」を抱いている、と公安当局が危機感を募らせているというわけだ。前出の文春記事で「公安関係者」はこうも語っている。

「独立を支持するグループのサイトに《彼女を琉球国王にすべき》という書き込みもある。(中略)民意が刺激されて独立論が広がれば、彼女が担ぎ出されることだってあるかもしれません」

 真相はいったいどうなのか。公安当局の取材を長く続けている全国紙の社会部記者に尋ねてみると、苦笑いしながらこう教えてくれた。

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