しかも、こうした流れは、宮迫が吉本と決裂し、テレビに出られなくなったあとも続いた。
昨年2月、宮迫がYouTubeを始めると、ワイドショーやスポーツ紙までが一斉にこんな調子で宮迫を叩きまくったのだ。
「きちんと手順を踏んだロンブー亮の誠実な姿勢とは対照的」「吉本興業との話し合いも解決していないのに身勝手」「迷惑をかけたテレビ局をないがしろにしてYou Tubeで復帰は筋違い」「ロンブー亮の復帰前日はおかしい」
タレントや芸人仲間たちからも一斉に宮迫批判が飛び出した。「(宮迫からYouTubeの)報告はあったが相談ではなかった」と責任逃れをしつつ「さんまさんのところにお世話になっているわけやし、オレが何を言う立場でもない」と突き放した松本人志を筆頭に、「順番として」「会社とちゃんと話をしてまとまってから」と説教した 岡村隆史、さらには、一時、吉本に反旗を翻していたはずの加藤浩次までがロンブー亮の復帰トークライブの前に宮迫がYouTubeデビューしたことを問題視し「ちょっとこれがあるのに宮迫さんなんで?って……」などと苦言を呈していた。
そして、今年2月には、前述した大崎会長の「戻ってこんでええ」発言、さらには、今回の雨上がり決死隊解散報告動画における、理不尽としか言いようのないバッシング──。
ようするに、宮迫の会見で、その体質を暴露され、辞任寸前に追い込まれた吉本上層部や御用マスコミにとって、宮迫はテレビから干す程度では許せない存在だということだろう。だからこそ、今回の解散を機に、吉本ともテレビとも関係のなくなった宮迫を御用マスコミ、芸人が総動員で、YouTuberとしての活動すら難しい状況に追い詰めたのである。
しかし、悲しいのはこうした御用マスコミにすっかり乗せられて、ネットやお笑いファンまでが、吉本という会社の責任をすっかり忘れて宮迫叩きに走っていることだろう。ネットでは、「雨上がりを解散させたくせになんの反省もない」「すべての責任はお前にある」「宮迫の嘘がすべての始まり」「ホトちゃんを捨ててYouTubeをとった報い」いう罵倒が飛び交っている。
しかし、改めて言っておくが、雨上がり決死隊を解散に追い込んだのは、宮迫ではない。宮迫をスケープゴートに仕立てて、パージした吉本興業という会社ではないだろうか。
(伊勢崎馨)
最終更新:2021.08.22 06:36