松本は、大崎会長の進退について聞かれたわけでもないのに、自らこう言ったていた。
「もしこれ以上問題が大きくなるようなら、大崎会長の進退も考えないといけない的なことも言ってましたが。しかし僕は全力で止めました。大崎さんがいなかったら僕も辞めるので、はい。うちの兄貴なんで、大崎さんいなくなったら僕もやめますね」
これは明らかに、大崎をやめさせるなら、俺も辞める、という脅しだろう。スポーツ紙吉本担当記者もこう話す。
「20日深夜の大崎会長、岡本社長との話し合いで、『最悪、岡本が引責辞任するのはやむを得ないが、大崎会長は何としても守る』というシナリオが話し合われたんでしょう、松本はその地ならしのために、わざわざこんなことを口にしたとしか思えない」
周知のように、大崎会長はダウンタウンのデビュー直後から面倒を見ている“産みの親”。岡本社長もその大崎会長の子飼いで、ダウンタウンのマネージャーを長くやっていた人物だ。そして、二人はダウンタウンの人気を背景に吉本興業でのし上がり、今もとくに松本人志の力を背景に、組織を掌握し続けている。
「大崎さんはとにかく松本の言うことならなんでも聞く。典型なのが松本が映画に夢中になっていたとき。全く観客が入らず、巨額の赤字を叩き出したのに、松本が諦めるまで、4本も撮らせ、すごい金をつぎ込んだ。マスコミ対策もそうで、吉本は基本、マスコミ報道に鷹揚なんだが、松本だけは別」(週刊誌記者)
たしかに、大崎社長はじめ吉本興業が松本に言いなりであることは、今回の松本の説明でもうかがえた。何しろ、それまで金銭授受を知りながら伏せていた吉本が松本に金銭授受を明らかにしろ、と言われた翌日に金銭授受と謹慎を発表。宮迫と亮の会見後も、当初吉本側はすぐに会見する予定はないとされていたが、前述の松本との話し合いで一転今日会見することになった。
松本は『ワイドナショー』で、「(大崎会長と岡本社長が)やっぱり真摯に話聞いてくれるし、僕の意見をほとんど可能なところまでやってくれているので、絶対そんな悪い会社ではないはずなんです」などと言っていたが、まさに松本にとっては全て言いなりなるいい上層部なのだ(松本は今回の事件で、吉本内に松本興業を作るなどという構想を明らかにしたが、吉本興業はとっくの昔から、松本興業なのだ)。
そういう意味では、松本は今回、自分に火の粉がかからないようイメージアップに務める一方で、意のままにできる会長を絶対にやめさせないようにするため、不満のガス抜きと脅しをしたに過ぎない。