安倍家と高橋家は親戚だった!二信組事件を起こした弟・高橋治則が証言、国会の証人喚問でも…
今回、高橋容疑者が逮捕された容疑やマスコミが報道している疑惑はすべて、2014年、東京五輪の招致が決定し、高橋容疑者が組織委員会の理事になって以降のものだ。報道各社は高橋容疑者が組織委発足から間もない2014年3月に決まった34名の理事に入っていなかったのに、そこから3カ月後の6月に追加で35人めのメンバーに選ばれたことに注目。その経緯について「森会長のツルの一声で決まった」「竹田恒和・JOC元会長が強力なプッシュをした」「五輪事業を電通が落札した後、電通が押し込んできた」など、さまざまな報道をしている。
しかし、くだんの「文藝春秋」記事が事実なら、高橋容疑者は組織委理事になる1年以上前、招致活動の段階から、当時の安倍首相の意向で、東京五輪に関わっていたことになる。
結論から言うと、これは事実の可能性が高い。高橋容疑者は招致活動の組織だった東京五輪招致委員会の正式な委員ではなかったが、途中から「スペシャルアドバイザー」という肩書きで招致委員会に出入り。五輪を東京にもってくるための裏工作の中心的役割を務めていた。自民党関係者がこう語る。
「当時は、東京に決まるかどうか微妙な情勢だったため、招致委がテコ入れとして、IOC委員と太いパイプをもつ高橋さんに票固めを依頼したんだ。高橋さんを担ぎ出したのが安倍首相だった、というのは、今回の文藝春秋の報道以前から、永田町では定説になっていた。ただ、最初に、高橋さんを使おうと言い出したのは、JOC会長で、招致委でも中心的役割を担っていた竹田さんだったと思う。竹田さんは、3つ上のお兄さんと高橋さんが慶応の同級生で、自分も幼稚舎からの後輩だった関係で、若い頃から高橋さんと親しく、JOC会長になるときも高橋さんに工作をしてもらっていたという関係。だが、招致委内部では慎重論もあったうえ、高橋さんが自分の値段をつり上げようと一旦断ったため、竹田さんが安倍さんに相談して動いてもらったんだろう。じつは、安倍さんも高橋さんと旧知の仲だったからね」
たしかに、安倍元首相と高橋容疑者は、旧知どころか、かなり深い関係がある。高橋容疑者の実弟は、政商として名を轟かせたあげく、二信組事件で逮捕された高橋治則・東京協和信用組合元理事長だが、安倍元首相の父親・晋太郎はこの高橋治則と非常に親しく、タニマチ的な支援を受けていた。
治則氏自身が事件発覚前、「AERA」(朝日新聞出版)1991年6月18日号のインタビューで、安倍晋太郎との関係について、こう語っている。
「政治家とは、何かをするために、付き合ってきたというわけではない。選挙に出る前からの友人が幾人かいるというだけ。亡くなった安倍晋太郎さんとは親戚です。血がつながっている。よく調べてみると、非常に近い親戚です」
なんと、安倍家と高橋家は、親戚関係にあったというのである。この事実は、二信組事件が表面化した後、国会の証人喚問でも、中西啓介・元防衛庁長官が証言している。