選管が調査を始めると必死で返還を要求、「署名簿を溶解します」と宣言
その後、現職の愛知県議や市議、市長らが、無断で署名に名前を書かれていたと実名で証言(中日新聞12月22日付)。ほかにも同種の情報提供が相次ぎ、12月21日には愛知県選挙管理委員会も提出された署名に不正な署名が多数含まれている疑いがあるとして、全署名を調査することを決めた。しかし、高須氏はそれでも、疑惑解明に抵抗。選管に対しては、署名簿の返還を繰り返し要求した。
〈今日(1月5日)は法定得票数に達しなかった大村知事リコールの署名簿の返還日〉
〈署名数が法定数になった段階で選挙管理委員会は署名数の「有効」「無効」を判定します。リコールが成立しなかった場合は署名は返還されます。今回は署名を返還せず、要請による「任意」の「審査」をやっています。犯罪捜査みたいな印象操作です。選挙管理委員会には署名鑑定の能力はありません。〉
〈選挙管理委員会が一時的に預かっているリコール署名簿の正式な所有者は提出した僕です。リコールが成立しなかったら速やかに返還されるのがルールです。〉
〈僕が全責任を負って返還された署名簿を溶解します。誰が署名したか明らかになれば二度とリコールができなくなります。僕は全力で僕を信じて署名して下さった方々の信託にこたえます。〉
不正の証拠である署名簿の返還を要求し、しかも「溶解します」などと証拠隠滅にもなりかねないことを主張したのだ。
ちなみに不正発覚当初から、高須氏らを擁護する者のなかには、「こんな杜撰ですぐバレる不正をするわけがない」として、リコール反対派や左派の陰謀などと主張する者が多数あったが、高須氏自身が言っているとおり、本来、不成立の場合は全数調査は行われない。ボランティアからの不正の告発がなければ、不正署名は高須氏らの手で「溶解」され、「大村知事リコールを求める署名は43万も集まった」という虚偽の数字が事実として残っていた可能性が高い。