高須克弥Twitterより
愛知県の大村秀章知事に対するリコール運動をめぐる不正署名事件。19日、「お辞め下さい大村秀章愛知県知事 愛知100万人リコールの会」の田中孝博事務局長らが逮捕されるという大きな動きがあったが、ここにきて、団体代表としてリコール運動を主導してきた高須クリニック・高須克弥院長の関与を示唆する新事実が次々出ている。
20日には、高須氏の秘書が昨年10〜11月、署名に押印のない署名簿に指印したことを中日新聞が報道。さらに21日、田中事務局長が、佐賀県佐賀市で署名簿の偽造作業が始まったとされる2020年10月下旬ごろ、「佐賀でのことは高須さんも知っている」と周囲に話していたとことがわかったと、毎日新聞が報じたのだ。
田中事務局長の話については、高須氏は「まったくの嘘」と反論しており、どちらが真実か現段階で結論づけることはできないが、秘書の指印については紛れもない事実であり、高須院長の責任は非常に重大と言っていいだろう。
高須氏は秘書の不正関与について、「数百人のなかの一人」とまるで何も知らず動員されただけのアルバイトか何かくらいに話しているが、少なくとも高須氏の秘書の1人はこの運動でもっと中心的な役割を果たしていた。
高須氏は、S氏という秘書について、昨年12月19日に、こんなツイートをしている
〈僕の秘書です。代表請求者です。自由に動けない僕に代わって情報収集をさせています〉
〈彼女は僕のスケジュール管理と情報収集が主たる業務です。愛知県医師会公認のメディカルセクレタリーでもあります。僕の必要とする情報を集めてくれています。大村秀章愛知県知事リコール代表請求者のNo.4です。有能です。〉(原文ママ)
そう、高須氏はまさに自分の秘書を「情報収集担当」「請求代表者」として署名運動に送り込んでいたのである。不正に関与していた秘書がS氏かどうかはいまのところわかっていないが、S氏とは別の秘書だとしても、S氏に情報が上がる仕組みにはなっていたはずだ。
しかも、高須氏の秘書なら、代筆と説明された佐賀のアルバイトとは違って、他人の署名に別人である自分の指印をするのが問題であることくらいわかるはず。高須氏に一切報告せず単独行動で署名作業に加わるなんてことがあり得るだろうか。
それどころか高須氏は4月になって報告を受けたと言っているが、不正が明るみになって数カ月も経つ4月まで、一切情報を上げないなど、普通は考えられない。