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海外から五輪中止の声も…政府と組織委は“五輪選手だけ守る”コロナ対策で乗り切り画策! 数億円の療養施設、パラ選手を口実にワクチン優先

コロナ軽症の五輪選手の専用療養ホテル300室、陰圧改造された24時間体制の搬送車両も…

 だが、五輪開催しか頭にない連中は、こうした国内外の訴えや世界の感染状況をまるで勘案せず、いまだに「五輪関係者だけ守れればいい」という“五輪ファースト”を押し通そうとしている。

 そのことを象徴するのが、10日に報じられた「東京五輪中のコロナ感染者隔離のため300室確保へ」というニュースだ。なんと、東京五輪組織委員会は選手らに感染者が出た場合に備えて軽症者や無症状者向けに約300室のホテル1棟を独自に借り上げる方針だというのだ。

 しかも、この療養施設への搬送は「陰圧改造」された専用車両を最大30台程度用意し、24時間態勢で運用。〈施設費などは数億円規模の見込み〉だという(東京新聞10日付)。無論、重症者は医療機関に運ばれる。

 これは当然の対応だが、しかし、この当然の対応は一般人にはけっしておこなわれていない。実際、第3波で東京都は医療崩壊に陥り、入院先や療養先が決まらない人が約6000人にもおよんだ。さらに、大阪では本日、重症患者数が病床数を上回り、自宅療養を余儀なくされている人は約5000人にものぼっている。関西圏で猛威を振るっている感染力の強いイギリス型の変異株が東京で同じように拡大するのは時間の問題だと言われているが、その一方で、五輪に参加する選手や関係者だけが病院での治療やホテル療養が確約されることは、まさしく「特別待遇」であり、もっと言えば「命の選別」ではないか。

 これと同じことは「五輪に出場する日本人選手へのワクチン優先接種」にも言える。

 当初の報道では、「今月12日から開始する高齢者分が終了する前に接種を開始」「6月下旬までに2回の接種を終わらせる日程を想定」だと伝えられたが、これはつまり五輪出場選手は重症・死亡リスクの高い高齢者や持病のある人を差し置いてワクチン接種を受けられる、ということ。当然、ネット上では「そんなに五輪が大事か」「正気じゃない」などと批判が殺到し、加藤勝信官房長官や丸川珠代五輪担当相は報道を否定した。

 だが、加藤官房長官が否定したあとも時事通信は、政府関係者が「いつかはやらなければいけない問題だ」とコメントしたとし、〈政府は日本オリンピック委員会(JOC)などの議論を注視し、優先接種の要請があれば、検討に入る方針〉と報道(8日付)。さらに毎日新聞では、大会関係者のこんなコメントを伝えている。

「JOCも打ちたいのが本音だが、言えば逆効果になるから切り出せないだけ。基礎疾患のあるパラ選手を理由にすれば、理解も得られるのでは」(毎日新聞ウェブ版13日付)

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