ブラックホール撮影成功の会見で失笑されたNHK記者の恥ずかしすぎる質問
また、2019年4月に人類史上初めてブラックホールの撮影に成功した際も、日本の大メディアが「日本スゴイ」質問をして世界の失笑を買っている。このプロジェクトは日本人研究者も含む世界13か国、200人以上の研究者からなる国境を越えたチームによって成し遂げられたものだったが、会見のなかで記者たちからブラックホール撮影に関する科学的な質問が飛ぶなか、NHKの記者はパネラーに対してこんな質問を投げたのだ。
「私は国際共同研究に関して質問があります。今回の成果が突出した共同研究であることは理解しております。それぞれの国、特に日本がどんな貢献をしたのかについてお聞かせください」
NHK記者の質問の最後の言葉「especially Japan」の言葉が場内に響いた瞬間、場内のあちこちから他国の記者の笑い声が漏れ、代表で会見していた研究者も、「日本は多くの国々と同様に非常に重要な役割を果たしました」「それぞれの国、それぞれの地域、それぞれのグループ、それぞれの研究所が専門知識をもち寄り、それぞれの仕事を果たしました」と半笑いで答える始末。
そして、案の定、この恥ずかしい一幕はニュースにまでなった。「Japan Today」は当時、「NHK reporter laughed at for asking black hole team for more on Japan’s contributions(NHKの記者はブラックホール研究チームに対して日本の貢献について質問をしたことで物笑いの種になった)」と見出しをつけたニュースを配信。そのなかで、「NHK記者の質問にある『とにかく、日本はどうですか?』という側面は、国際舞台で日本のアスリートの業績を自慢するのを愛する日本メディアのやり方を思い起こさせる」と、それがメディアの全体の体質であると指摘した。
ようするに、ネトウヨだけでなく、マスコミ、さらには日本社会全体が人類共有の画期的な業績すらも正当に評価できず、単なる「お国自慢」としてしか消費しなくなってきているのだ。