萩生田文科相の芸者遊びを報じた『報道特集』
ようやく年末年始の「GoToトラベル」全国停止を決めた菅義偉首相。遅きに失したとしか言いようがないが、その上、すぐさま全国停止にするのではなく28日からにするなど、医療提供体制が弱くなる年末年始に向けて感染者を減らすということが考えられていないものだ。
そんななか、菅政権の閣僚の呆れた事実が判明した。菅首相が政府の新型コロナ対策本部会議で「マスク会食」の徹底を呼びかけたその日に、萩生田光一文科相が都内の料亭で、芸者同席で「ノーマスク」会食していたと、12日放送の『報道特集』(TBS)がスクープしたのだ。
菅首相は11月21日の新型コロナ対策本部会議で国民に「マスク会食」を呼びかけたが、『報道特集』によると、まさにその約1時間後にあたる18時半ごろ、萩生田文科相は地元である東京都八王子市内の料亭に。そこでは、「12畳ほどの個室に(萩生田)大臣のほか、2人の男性と、芸者の女性ら少なくとも合わせて6人がいた。萩生田大臣と男性のあいだに芸者の女性がおり、向かいの男性の両脇にも芸者の女性がいた。テーブルの上には数本の酒の瓶が並んでいた」という。
そして、「このとき萩生田大臣はマスクを着けておらず、向かいの男性もマスクを付けず、笑顔を見せていた」というのである。
「GoToイート」を一時中止して飲食店に直接補償をおこなうといった政府としての対策を怠りながら、国民に「マスクを着用して静かに会食しろ」などと呼びかけること自体が責任の押し付けにほかならないが、そんななか、閣僚がノーマスクで、さらには芸者同伴の宴会を開いていたとは──。
しかも、言うまでもなく、萩生田氏は教育行政を取り仕切る文部科学大臣だ。小学生が体育の時間もマスクを着用したり、給食中も無言の食事をおこなうなど、我慢を強いられるなかで、かたや文科大臣が当時すでに警戒レベルが最高段階に引き上げられ大人数での会食を控えるよう呼びかけられていた都内の料亭で、芸者を呼んで会食とは、呆れ果てるほかない。
その上、この日の政府のコロナ対策本部会議に萩生田文科相は出席せず、高橋ひなこ副大臣が出席していた。これを文科省は「慣例に従った順番」だとしているが、学校クラスターも発生している状況下で大臣が出席せずに、その後、料亭で会食とはどういうことなのか。
しかし、さらにあ然としたのは、このあとだ。
『報道特集』の記者は萩生田事務所にFAXで質問を送った上で、放送前日の11日朝、萩生田文科相に「先月21日にマスクされないで八王子市内で会食されてますけれども、それについて適切だったとお考えですか?」「芸者の方を囲んで会食されていると思うんですけども」とマイクを向けて追及。すると、萩生田文科相は「食事のときにマスクを? 外したり着けたりしてね」「芸者の方を僕が囲んで? 席にお見えになったのはそうです」などとコメント。「ちゃんと答えますので。3時に」「少人数の会食でしたから」と言い残して立ち去った。