「若者が政治に無関心なのは悪いことではない」に「ナチスの手口に学べ」発言と同じ民主主義否定思想
麻生氏は2013年、憲法改正論議に関して「ドイツのワイマール憲法もいつの間にかナチス憲法に変わっていた。誰も気が付かなかった。あの手口に学んだらどうかね」と発言して物議を醸した。
民主主義や国民の知る権利を全否定し、ナチズムを肯定するひどい発言だったが、今回の「若者が政治に関心がないというのは、悪いことではない」という発言はまさにその延長線上にある。国民は政府のやることに口を出すな、黙って言うことを聞いておけ、というのが麻生氏の本音なのだ。
しかし、高校生相手にこんな政治家の民主主義否定、ファシズム肯定発言を堂々聞かせる高校というのはいったいなんなのか。ファシリテーターを務める三浦瑠麗センセイや、運営学校法人のバックにいるドワンゴの夏野剛社長はこんな発言を高校生に聞かせたことについてどう釈明するのか。
いや、考えてみれば、2人にそんなことを求めるには意味がないだろう。「桜を見る会」批判を「国民の感情」と決めつける三浦センセイも、安倍首相の官邸滞在時間の短さを批判したネットユーザーに「一般ピープルの目線で見るのは大間違い」「選挙権を返上しろ」などと恫喝した夏野氏も、国民を愚民扱いし、政治は自分たち選ばれたエリートがやればいいと考えているという点では、麻生氏と大差がないからだ。
そういう意味では、N高政治部はまさに、能町氏が皮肉ったように「三浦センセイの犬笛にすぐに反応する少数精鋭の戦士」あるいは「麻生副総理や夏野社長のような選民思想をもった政治家」を育てるためにつくられたのかもしれない。
(編集部)
最終更新:2020.09.13 10:44