『ワイドナショー』番組HPより
今回の安倍首相辞任について、“隠れ安倍応援団”の松本人志と『ワイドナショー』(フジテレビ)はいったいどんな放送をするのか。そう思って30日の放送に注目をしていたら、その中身はあ然とするようなスカスカぶりだった。
たしかに発言の端々から安倍応援団ぶりはダダ漏れていた。まず、MCの東野幸治に「安倍首相の功績、たくさんありますが」と振られた松本人志が最初に口にしたのは、こんなセリフだった。
「そうですね、まずは、7年8カ月お疲れさまでした。ということだと思いますね」
橋下徹が辞任会見で記者たちが安倍首相に「お疲れさま」と言わなかったことに説教をしていたのを意識したのか、ふだんテレビで見せたことのない殊勝な対応を見せた松本。続けて「あと、ちょっと後付けみたいになってしまうんですけど」と、こんな話を始めたのだ。
「アベノマスクを安倍さんが何週間か前にやめたでしょ? なんか、あのぐらいから僕はちょっと、心が折れてんのかなあという気がしましたね」
「戦意喪失しちゃってんのかなあみたいな気がしなくはなかったんですけどね」
「心が折れてんのかなあ」「戦意喪失しちゃってんのかなあ」と、お友だち目線の感想を述べたのだ。
さらに東野が「拉致問題、北方領土問題、憲法改正問題、約束したんですけど、なかなかできなかった」と解説を挟むと、松本はこう答えた。
「もちろん国内ではなんかいろいろあった人ですけど、外交においてはなかなか安倍さんに代わる人がそんなにたくさんいないなあというのが、少し不安ではありますよね」
たしかに安倍応援団や御用メディアは「外交の安倍」をやたら連呼するが、実際は安倍政権下の7年8カ月でまともな外交実績はほとんどない。
北朝鮮拉致問題はまったく進展させることができず、歴史修正主義と差別政策で日韓関係は最悪になり、レイシストであるアメリカ・トランプ大統領と親密な関係をアピールするという人権感覚のなさを世界に晒した上、武器を大量に買わされるだけのスネ夫っぷり。ロシアにも媚びまくるだけで、領土問題も「北方領土」という言葉すら使えない状態にまで後退させ、あげく中国に対してもウイグルや香港弾圧でほとんど批判できない弱腰の対応を続けている。
それなのに、安倍首相の演出にまんまと乗せられて「外交では安倍さんに代わる人がいない」などとしたり顔でコメントするとは、松本は恥ずかしくないのか、と思っていたら、番組ではさらに情けない展開になった。東野がこんな“実績”を語り出したのだ。
「これは、だから、指原さん、国際会議とかで、僕らがちっちゃい頃とか、20代、30代の頃って、日本の首相ってG7とかの、記念写真の端っこのほうにしか行けなかったんですよ。安倍さんになってから、7年8カ月になってくると」
「アメリカのトランプ大統領も、ビジネスマンから大統領になったからよくわからないから、安倍さんがいろいろ相談に乗ってあげたり、するなかで、立ち位置がどんどん真ん中に」