森友・加計学園問題や自衛隊日報隠蔽問題後、打ち合わせ記録を作成しない体制に
今回、菅官房長官が“議事録は残さない”と明言したのも、こうした隠蔽をほじくり返されないようにするためだったのではないか。ようするに、新型コロナを行政文書の管理に関するガイドラインに規定する「歴史的緊急事態」に該当するとして、議事録の作成・公表が義務づけられない「政策の決定または了解を行わない会議」という抜け道を悪用したのだ。
実際、安倍首相は森友・加計学園問題や自衛隊日報隠蔽問題が発覚しても、「私のリーダーシップの下、公文書管理の在り方について政府を挙げて抜本的な見直しをおこなう」などと述べながら、行政文書の管理に関するガイドラインの改正後は、安倍首相と官庁幹部との面談の際、議事概要などといった打ち合わせ記録が一切、作成していないことは判明(詳しくは既報参照→https://lite-ra.com/2019/06/post-4751.html)。ガイドラインの見直しによって、公文書を改ざんしたり隠蔽する必要がないよう、そもそも記録を残さないようになってしまったのである。
そして、安倍首相自身が「100年に1度の危機」だと言う新型コロナの対応でも、その対応について検証するための材料となる議事録を残そうとせず、歴史的検証を不可能にしようとしている──。「桜を見る会」問題でも、共産党議員が国会質問のために資料の提出を求めた当日に今年分の名簿をシュレッダーにかけ、「サーバーのデータは復元できない」と強弁するなど、その隠蔽体質に拍車がかかっていたが、そうした問題が有耶無耶になってしまった。そしていま、このような歴史的な国民の生命と生活に直結する問題でも、安倍政権は同じことを繰り返そうとしているのである。こんな政権に、これ以上、新型コロナ対応を任せることなどできないだろう。
(編集部)
最終更新:2020.05.30 02:19