この期に及んで自民党幹部「これでもたない会社は潰すから」精神なのか
いま、「家賃が払えず廃業を決めた」「休業要請の延長に従えば今月の家賃が支払えない」という事業者は後を絶たず、一刻も早く家賃を支払えるようにすることが重要になっている。その点、野党案は日本政策金融公庫が肩代わりするため、「いまは支払いがない」という安心感があることは言うまでもない。それを自民党案は、このスピードが求められる局面で「当面は融資でどうにかしろ」というのである。この一点をとっても、安倍自民党に事業者を救おうという意識があるのかと疑うほかない。
実際、自民党で休業補償などを求めている若手議員のひとりである安藤裕衆院議員は、自民党のある幹部から「これでもたない会社は潰すから」と言われたことをぶちまけていたが、この期に及んでも、安倍自民党は「家賃が支払えないような事業者は廃業やむなし」とでも考えているのではないか。
いや、それどころか、家賃支援について「躊躇なくやるべきことをやっていきたい」と国会で述べた安倍首相だが、これも“口からでまかせ”ではないのか。現に、〈官邸幹部は補正予算に盛り込んだ中小企業向けの最大200万円の給付金をあげて「家賃支援も含んだ制度だ」と、追加支援には消極的な姿勢を示す〉(朝日新聞1日付)というからだ。
韓国は徹底したPCR検査の実施と感染者の隔離によって、5日に外出自粛の要請を解除したが、日本が緊急事態宣言の期間延長にいたったのは安倍首相の後手対応の結果であることは言うまでもない。にもかかわらず、その後手対応によって被害を被っている事業者に対し、安心を与える支援策も打ち出さず、安倍官邸はいまだに出し渋るとは……。
安倍首相は自民党案をそのまま通す気なのだろうが、これでは困っている事業者を救うことはできない。野党案を取り入れ、すぐにでも対応すべきだ。
(編集部)
最終更新:2020.05.07 09:50