アパホテルに、貸し出し料金や期間、規模、元谷代表の著書等の扱いについて直撃
さらにもうひとつ気になることがある。アパホテルは普段、「南京大事件はなかった」などと歴史修正主義を喧伝して国際問題になった元谷代表の著書などが客室に設置されている。もしこの歴史修正本がそのままで、アパホテルに新型コロナの軽症感染者を長期宿泊させることになれば、政府が歴史修正主義・極右思想の宣伝に手を貸すということになりかねない。
実際、冗談ではなく、コロナに感染してアパに収容された軽症者が暇つぶしに客室におかれた元谷代表の著書を読んでいるうちに、極右思想や歴史修正本主義に感化されてしまうことだってありえるだろう。
6日午後、本サイトはアパグループに取材。貸し出しの料金(宿泊費)や期間、受け入れ時に元谷代表の著書等をどのように扱うのかについて質問した。すると同日夜、アパグループ秘書課から書面で回答があった。
アパグループはまず、〈4月2日、政府の方から新型コロナウイルスの軽症者への受け入れの打診を頂き、すぐに弊社としては全面的に受け入れる意向がある旨をお伝えしております。国難ともいえる新型コロナウイルスに対応して、人員数・客室数を含めた要請をいただき、衛生管理等について具体的な提案があれば、スタッフの安全面を図った上で全面的に受け入れる意向でおりますが、現時点で首都圏、大阪、名古屋で合わせても5,000室程度は提供可能と考えております〉と説明した。
では、金額はいくらになるのか。仮に1カ月ほど政府がアパホテルの5000室を借り入れた場合、一部屋一泊1万円として計算すると実に15億円、6000円でも9億円もの金額になるが、アパグループは、〈ただし、現時点ではまだ具体的な話になっておりませんので、対象施設や利用期間、対価等については今後協議を進めていきたいと考えております〉と回答するにとどめている。
また、〈軽症者を受け入れるホテルは一棟貸しとし、一般のお客様が同じホテルに宿泊することはありません。具体的なホテル名は決定後ホームページ等で公表します〉と加えた。
さらにもうひとつの気になる点、軽症感染者の受け入れ時に元谷代表の著書等を客室に設置したままにするのかについては、以下のように回答した。
〈2017年1月に、アパホテル客室に設置している『本当の日本の歴史 理論近現代史』について、南京大虐殺を否定するものだとして批判的に取り上げる動画がインターネット上にアップされたことをきっかけに、中国政府によってアパホテルは中国国内から予約ができなくされた、いわゆる「書籍問題」のきっかけとなった書籍は、「本当の日本の歴史 理論 近現代史学II」ですが、現在は、同様の主張を記載しているシリーズの新作である「本当の日本の歴史 理論 近現代史学IV」「「本当の日本の歴史 理論 近現代史学V」を設置しています。これらの書籍について、撤去する予定はありません。〉
ちなみに以前本サイトが調査したところ、『理論近現代史学IV』には歴史修正主義だけでなく、安倍政権の擁護・絶賛を連ね、安倍改憲や核武装の必要性を訴える記述もあった。【詳細は→https://lite-ra.com/2019/03/post-4622.html】