首相官邸ホームページより
「ウラジーミル、君と僕は同じ未来を見ている」
「ゴールまで、ウラジーミル、2人の力で、駆けて、駆け、駆け抜けようではありませんか」
安倍首相が5日、プーチン大統領とともに出席した国際会議でのポエム演説が「気持ち悪い」「寒い」と話題になった。
内閣改造ですっかりなかったことにされているが、またしても、なんの成果も得られなかった日露首脳会談。9月5日ウラジオストクで、実に27回目となる安倍首相とプーチン大統領との会談が行われたが、北方領土の帰属問題には相変わらずなんの進展も見られなかった。
いや、進展が見られないどころの話ではない。周知のとおり、2島返還を落としどころするどころか、ロシア政府幹部からは「主権はロシア」との発言が相次いだり、北方領土で軍事演習を開始されたり、やられ放題。もはや日本国内で「北方領土は日本固有の領土」と主張することすらできなくなっているという後退ぶり。本サイトは領土問題には興味ないが、韓国に対する強気のハラスメント的態度との大違いぶりには呆れはてる。
そんな現実をごまかそうとしたのか、安倍首相がプーチン大統領に向かって呼びかけたのが、冒頭のポエム「ウラジーミル、君と僕は同じ未来を見ている」「ゴールまで、ウラジーミル、2人の力で、駆けて、駆け、駆け抜けようではありませんか」だ。
首脳会談後に同じウラジオストクで開かれた国際会議「東方経済フォーラム」にプーチン大統領とともに出席した際に披露したものだが、よくもまあ成果ゼロ会談の後にこんなセリフが言えたものだ。
このポエムにはウラジーミルことプーチン大統領も失笑。ちなみにプーチン大統領は、6日にはウラジオストクの市民との交流会で「スターリンがすべてを手に入れた。議論は終わりだ」と語り、北方領土について第二世界大戦の結果、ロシアがすべての領有権を手にしたと主張した。
明らかに同じ未来を見ていないし、同じゴールにも向かっていないと思うのだが、安倍首相はいったい何を目指しているのだろうか。
当然ながら、このポエム演説にはネットでもツッコミの声が殺到。たとえば元・文科事務次官の前川喜平氏は〈「ウラジーミル、君と僕は同じ未来を見ている。ゴールまで、ウラジーミル、二人の力で駆けて駆けて駆け抜けよう」このスピーチ書いたのは、今井秘書官か佐伯秘書官か長谷川補佐官か・・。誰が書いたか知らないが、文学としてもお粗末だ。〉と突っ込み、共産党・志位和夫委員長も〈「ウラジミール、君と僕は同じ未来を見ている」「ゴールまで、ウラジミール、2人の力で駆けて、駆け、駆け抜けよう」……。本当にこんなことを言ったのかと思ってビデオを見たら、本当に言っている。よくもこんな台本を書いたものだし、読めたものだ。〉と切って捨てた。
「文学としてもお粗末」「よくもこんな台本を書いたものだ」。多くの人が同じ感想を抱いたことだろう。
いったい誰がこんなお寒いポエムを書いたのか。実は、このポエム演説を書いたスピーチライターは、谷口智彦・内閣官房参与ではないか、とネットで話題になっている。