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安倍首相が「老後2000万円」問題追及に逆ギレして「年金100年安心は確保されている」とインチキ強弁!

国民に年金給付開始年齢先延ばしをさせる詐欺的誘導の手口

 現在の年金制度では年金開始年齢は原則65歳だが、60〜70歳までのあいだで本人が選択することができる。そんななか、じつは今年4月から年金受給額などが通知される「ねんきん定期便」の記載内容が変更され、年金の繰り下げ受給が案内されるようになった。そこでは、70歳まで年金開始を遅らせた場合、年金額が「65歳と比較して42%増」になると図まで用いてアピールされている。

「42%も増えるならお得かも」と考える人も多いだろうが、現在、繰り下げ受給を選択している人はわずか1%程度にすぎない。年金がなければ暮らしていけない、そういう苦しい生活を余儀なくされている人が多いことも要因のひとつだろうが、もうひとつ重要なのは、70歳から年金を開始した場合、65歳から開始した場合と比較して「得」が出るのは82歳から、ということだ。日本の平均寿命は2017年で男性が81.09歳、女性が87.26歳。つまり、男性は平均より長生きしなければうま味はなく、年金の給付をなんとしても抑制したい国の思惑が透けて見える。

 前述した金融審議会「市場ワーキング・グループ」に出席した厚労省年金局の吉田課長も、年金支給年齢を遅らせる繰り下げを強調し、「フル就業できるうちは公的年金を繰り下げ、引退後、増額した公的年金と私的年金を含む貯蓄の取り崩しで、長期化する高齢期の生活水準を確保することができます」などと述べていた。年金の支給開始時期を繰り下げる高齢者をなんとか増やそうと厚労省は必死になっているのである。

 まさに詐欺的だが、この“年金詐欺”の元締めはもちろん安倍政権だ。その典型が、すでにデータが揃っていると認めている年金の「財政検証」の結果公表先延ばしだ。今回の「財政検証」の結果は将来的に年金給付額が下がることを示す厳しい内容になると見られており、参院選前に公表すれば確実に安倍政権に大ダメージを与える。つまり、安倍政権が厚労省に命じて、参院選まで公表を遅らせようとしているのだ。

 しかし、どれだけごまかそうとしても、年金制度が崩壊していることはもはや、あきらかだ。きょうの国会では、安倍首相が「年金100年安心」と言い張る根拠をまったく提示できなかったどころか、41歳以下の世代は3600万円もの貯蓄が必要という指摘まであった。国民に年金安心神話を振りまいてきた安倍政権の責任を問う。それこそが、参院選の争点だ。

最終更新:2019.06.10 10:35

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