大元は厚生局麻取部が話題作りのために流した情報
ただただ韓国を叩きたいという差別感情丸出しの頭の悪い言葉の数々だが、このような差別発言を引き起こしているのは、言うまでもなく「瀧容疑者が吸引に使ったと見られるのは“韓国紙幣”である」という報道だ。
仮に、ピエール瀧の部屋から本当に韓国紙幣が見つかっていたとしても、それを吸引に使ったかどうかはさだかではないし、たまたま手近にあった使わない紙幣が韓国紙幣だっただけという可能性が非常に高い。ところが、その程度にすぎない情報をNHKから朝日までが「嫌韓」に乗っかって、意味ありげに報道したがために、こんな韓国ヘイトを引き起こしているのだ。
そういう意味では、今回、NHKや朝日新聞がやったことは、ネトウヨ出版社によるフェイクだらけの嫌韓本出版となんらかわりはない、ヘイトビジネスそのものといってもいいだろう。
メディアには猛省を求めたいが、しかし、この「韓国紙幣」報道にはもっと大きな問題がある。それは、この情報がピエール瀧を逮捕した捜査当局、関東甲信越厚生局麻取部から出ていることだ。
「多くのメディアが「韓国紙幣」と報じることを考えると、これは麻取が情報を出したとみて間違いないでしょう。麻取の捜査は見せしめ的要素が強いため、とにかく事件を大きく報道させたがる。芸能人などを狙い撃ちするのもそのためだし、逮捕後も話題にさせようといろんな情報をリークするんです。今回は、いま、日本を覆ってる“嫌韓感情”を利用して、話題を煽ろうとしたんでしょう」(全国紙社会部記者)
ようするに、捜査当局が確信犯的に差別感情の扇動を狙っていのだ。安倍一強支配下で、官僚までがネトウヨ化して差別加担にためらいがなくなっているというのはよく聞く話だが、ここまで露骨になっているとは……。
官とメディアの共犯関係でレイシズムを増幅させるという、この国の異常かつ醜悪極まりない現状が、あらためて浮き彫りになった出来事といえるだろう。
(編集部)
最終更新:2019.03.13 11:43