政権批判を繰り返すウーマン村本を排除するメディアの弱腰
村本は今回のネタをこのような一言で締めくくり、さらに視聴者を挑発した。
「漫才師だから、最後は笑いにしましたけど、笑ってごまかすなよ」
たしかに、かつての村本は、一般人が芸能人を批判することを「劣等感」「妬み」と批判したり、“ゲスキャラ”として女性蔑視的な発言をすることもあった。だが、今回のネタでは、いま日本で起きている数々の問題の背後に共通してあるのが「弱者の排除」であることを喝破し、「弱者が優遇されている」という言説や、BTSのTシャツ問題のようなたんなる差別や弱者叩きを社会的正義にすり替える言説に惑わされることなく、本当に虐げられている者は誰なのかを見抜き、その声に耳を傾けろと主張した。──芸としても同じフォーマットの繰り返しでなく新しさを追求し、政治や社会問題に対する認識も深化させた。見事というほかないだろう。
しかし、残念でならないのは、これだけ進化している村本をテレビで観る機会がほとんどなくなっていることだ。これは、彼の芸人としての面白さの問題ではなく、怯むことなく繰り出す政権批判が敬遠されていることは明らかだろう。
だが、それでも、彼らが漫才に覚悟をもっていることはよくわかった。最近では、沖縄基地問題をめぐって百田尚樹と議論になった際、Twitterを撤退すると示唆していた村本だが、(詳しくは 「ウーマン村本にデマを指摘された百田尚樹が逆ギレして被害者面! 自分のデマごまかし名誉毀損と恫喝する卑劣」 「百田尚樹が「安倍総理が名誉毀損裁判で噂の真相を廃刊に追い込んだ」とデマ…ならば公開しよう、安倍vs噂真裁判の全容」の記事を参照)、その後Twitterも復活し、お笑いとしても社会問題を追求していくことを止める気はまったくないという姿勢が今回、あらためて示されたからだ。今後も本サイトは村本のこうした世間を掻き乱す、闘う「漫才」を応援していきたい。
(編集部)
最終更新:2018.12.10 10:10