小説、マンガ、ビジネス、週刊誌…本と雑誌のニュース/リテラ

menu

さくらももこ追悼放映『ちびまる子ちゃん イタリアから来た少年』が受けた安倍チル議員からの圧力

akaike-01-20180321.png
赤池議員がアップした映画『ちびまる子ちゃん イタリアから来た少年』ポスター

 国民的アニメ『ちびまる子ちゃん』で知られるマンガ家のさくらももこ。乳がんのため53歳で亡くなったことが8月27日に報じられ、その早すぎる死を惜しむ声が今なお絶えない。今晩21時より、その追悼番組として『映画ちびまる子ちゃん イタリアから来た少年』が放送される。

『ちびまる子ちゃん イタリアから来た少年』は、アニメ放送25周年を記念して2015年に制作された映画。まる子の家にイタリア人の少年アンドレアがホームステイにやってくるというストーリー。アンドレアはだけでなく、アメリカやインド、香港、ブラジルと世界各国からホームステイでやって来た子どもたちとまる子らの交流や、アンドレアの祖父の思い出など、国の垣根を超えた友情を“ちびまる子ちゃん”らしいユーモアとともに描いた作品だ。

 ところが、この作品をめぐってとんでもない圧力をかけた政治家がいたことを覚えているだろうか。安倍チルドレンとして有名な、赤池誠章衆院議員だ。

 赤池議員といえば、今年3月に前川喜平・前文科事務次官による公立中学校での公開授業に対し、文科省を通して圧力をかけていたことが大きな話題になった人物。第一次安倍政権前夜の2005年衆院選で初当選。従軍慰安婦の否定などの歴史修正主義をがなりたて、戦中の軍国主義の要となった教育勅語を絶賛する極右議員であり、安倍首相の子飼い議員である。

 前川前次官への圧力事件からも、赤池議員が極右教育政策の先導者であることは明らかだが、その赤池議員、なんとこの『ちびまる子ちゃん イタリアから来た少年』をめぐって、信じがたいイチャモンをつけ、文科省に圧力をかけていたのだ。

 ちびまる子ちゃんに圧力って意味不明だと思うが、赤池議員本人が自身のブログで圧力の顛末を自慢げに書いている。

 実はこの『ちびまる子ちゃん イタリアから来た少年』は〈国民に広く国際教育に対する理解・普及を図るため〉(文科省公式サイト)との目的で、文部科学省が配給の東宝とタイアップしたもの。そのためポスターにも「国際教育×ちびまる子ちゃん 文部科学省」と銘打たれ、「友達に国境はな〜い」というキャッチコピーがついていたのだが、赤池議員はこのコピーにこんなイチャモンをつけたというのだ。

〈私は、このポスターを見て、思わず仰け反りそうになりました。同省政務官時代に、国家公務員として、それも国家の継続を担う文科行政を担う矜持を持て。国際社会とは国家間の国益を巡る戦いの場であり、地球市民、世界市民のコスモポリタンでは通用しないと機会あるごとに言ってきたのに・・・〉

「友達に国境はな〜い」のフレーズがあるというだけで、「思わず仰け反りそうに」なって「国際社会は国家間の国益をめぐり戦いだ」などとわめきだす……。いったい、何を言っているのか。

 本サイトでは、この赤池議員のちびまる子ちゃん圧力事件の顛末と、「国境を超えた友情」というごく普遍的なメッセージに反国家行為を見出す赤池議員、ひいては安倍首相の極右教育政策の危険性について報じたことがある。

 仰け反りたくなるのは、「国境を超えた友情」か、赤池議員や安倍首相の極右国家主義か。『ちびまる子ちゃん イタリアから来た少年』を見て、あらためてご一考いただきたい。
(編集部)

関連記事

編集部おすすめ

話題の記事

人気記事ランキング

カテゴリ別に読む読みで探す

話題のキーワード

リテラをフォローする

フォローすると、タイムラインで
リテラの最新記事が確認できます。

プッシュ通知を受け取る 通知を有効にする 通知を停止する