菅官房長官の「名護東道路完成前倒し」表明も、選挙対策の一環!?
名護市内にある土地改良事業の事務所に「予算増の恩恵を受ける市内の関係者数」を聞くと、「約1200人」という答えが返ってきた。名護市で約2500票とされる公明党の基礎票の約半分。4年前の投票総数が3万5733人(有権者数は4万5千人)で1万8千票程度が当選ラインの市長選では、無視できない人数といえる。「各地に一定程度の割合で存在する土地改良事業関係者から大量集票を狙う」という秘策は、二階氏が長年の利益誘導型選挙から産み出したものに違いないのだ。
また菅官房長官が表明した「名護東道路」の完成前倒しも、土地改良事業予算増と同様、投票を促す効果が期待できる。市内大手の建設会社「東開発」や「屋部土建」がすでに名護東道路の工事を受注、前倒しや延伸となれば、受注増が確実に見込めるからだ。
この道路推進でも、官邸と自民党本部の足並みはそろっていた。二階幹事長や塩谷立選対委員長や萩生田光一幹事長代行らとの選対会議を終えた照屋守之・自民党沖縄県連会長は、囲み取材で「名護東道路の前倒しの方針は政府も自民党本部も同じ。党本部も挙げて沖縄のことは一生懸命やっていこうという姿勢の表れ」と答えたのだ。そこで「名護市長選とバーターという見方もあるが」と訊いたが、照屋氏も二階氏と同じように「それはない」と否定した。
告示後は人気抜群の小泉進次郎筆頭副幹事長を投入して票の上乗せを狙う安倍自民党だが、基地受入を札びらでゴリ押しする利益誘導の実態をどこまで覆い隠せるのかは未知数だ。全国注目の名護市長選は、国民の税金を選挙対策に流用するに等しい“アベ土建政治”の化けの皮が剥がれるのか否かの天下分け目の決戦でもあるのだ。
(横田一)
最終更新:2018.01.12 08:39