平手友梨奈は秋元康に「この場からいなくなりたい」とSOSを出していた
それは、今泉自身の発言からもある程度読みとれる。「BRODY」(白夜書房)18年2月号掲載のインタビューで彼女はこのように話している。
「今もセンターになりたい気持ちはあります。きっと私がセンターになっても誰も喜ばないだろうなって思ったりもします。でも、なりたいです」
「平手がいなきゃ欅坂46は成り立たないって言われるのが、すごく悔しいし悲しいんです。他にも個性的なメンバーがたくさんいるよって思いながらずっとパフォーマンスしてきたので」
とはいえ、その一方で、平手一強体制は日増しに強化されていく。それを端的に示したのが、前述したツアーにおける平手の離脱だろう。
このとき、平手が離脱したセンターポジションが他のメンバーによって埋められることはなく、その部分は空白のままライブが行われた。AKB48グループや乃木坂46では通常そのような場合、誰か他の人が代理でセンターを担うのが普通で、センターを空きポジションにしたままパフォーマンスが行われるのは相当珍しい事例だ。
そもそもの話だが、たとえセンターがある特定のメンバーに固定されていようとも、他のメンバーにも各々が能力を活かして輝ける場所があれば、それならそれでもかまわない。しかし、現状の欅坂46はそのような状況にはなく、むしろ、「マスゲームの駒のひとつ」のように扱われる環境が強化されつつある。
そのような状況が、メンバーに負荷をかけるのは明らかだ。向上心があればなおさらである。前掲「BRODY」のなかで今泉は「今は欅坂46は笑わないとか、そういうイメージがあると思うけど、また違う欅坂46を作りたいなって気持ちがあります」と発言。また、小林由依も「私も今の欅坂46じゃない欅坂46の一面を知りたいっていう思いがあります」と語り、現状とは違うグループの姿への希望を語っているが、それが実現する可能性は、現状ではかなり低いと思わざるを得ない。
小林は同インタビューのなかで「みんなわかってるんだよ。自分たちがどうすればいいかも」「わかってるんだけど、それをなかなか行動に移せない」と、言葉を濁しながら苦しみを吐露しているが、今回の紅白で、平手のみならず、鈴本、志田といったメンバーが倒れたのと、このような状況は無関係ではないだろう。
昨晩の出来事が示した通り、平手一強体制は、平手本人はもちろん、他のメンバーの心身をもどんどん壊し始めている。
それは、総合プロデューサーの秋元康氏も認識しているはずだ。前掲「QJ」のインタビューのなかで秋元氏は「平手はよく「この場からいなくなりたいです」と言うんですね。ピュアな子なので人間関係に疲れちゃう場合もあるんだろうし、あるいはセンターでい続ける重圧かもしれない」と語っている。
「この場からいなくなりたいです」とまで言われているのに、それでも負荷をかけ続けるのは果たしてどうなのか? これは、どう考えてもSOSのサインだろう。
秋元康氏と運営は抜本的な解決をはかるべきではないのか。
(編集部)
最終更新:2018.01.01 12:54