朝日攻撃で森友・加計疑惑を封じる安倍一派の作戦が始まった
こうしたやり口は、安倍首相やその取り巻き、そして安倍応援団メディアの常套手段だ。誰の目にも明らかな不正の事実があるのに、ほんの些細な誤認や未確認事項を針小棒大に騒ぎ立て、報道を「フェイクだ」「デマだ」と全否定。不正そのものをなかったことにしてしまうのである。
また、安倍首相および安倍応援団がこうした印象操作をおこなうときに、格好のスケープゴートにしてきたのが朝日新聞だった。安倍首相や安倍応援団は「朝日新聞は安倍叩きを社是としている」などというまったくのデタラメを拡散し、報道を恣意的なものとして封殺しようとしてきた。
しかも、こうしたやり口は自分たちの疑惑や不正だけでなく、戦争犯罪についても使われてきた。たとえば、従軍慰安婦についても、他紙も一斉に報じているのに朝日新聞の誤報だけを問題にして、従軍慰安婦の存在そのものを否定するような情報操作をおこなってきた。
おそらく、安倍首相とその取り巻きたちは今回、森友・加計問題で従軍慰安婦問題の再現を狙っているのだろう。いまだ全容は判明してない設置趣意書の一件を「朝日による大きなデマ報道」であるかのように語り、そこから「森友・加計問題は朝日新聞の捏造」なる陰謀論に話を拡大、疑惑そのものにフタをしようとしているのだ。
実際、これまでも安倍応援団メディアや御用評論家・小川榮太郎氏の著書など、少し前から「森友・加計問題じゃ朝日の捏造、創作」とする記事がやたら増えていた。そして、ここにきて「安倍晋三記念小学校」問題を使った和田議員、麻生太郎副総理、菅原議員、そして安倍首相自身の口からも朝日攻撃が飛び出した。
おそらく、今後は「朝日のデマ」「朝日の捏造」という“フェイクニュース”が保守メディアやネット上で真実として拡散し、朝日バッシングはますます激化していくだろう。
しかし、こんな卑劣なやり口に騙されてはならない。森友・加計問題で安倍首相の意向を受けた官邸が行政をねじ曲げたというのは、明らかな事実なのだ。メディアや野党はひるむことなく、その証拠を徹底的に突きつけていかなければならない。
(編集部)
最終更新:2017.11.28 10:36