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どこが丁寧な説明? 安倍首相が国会で“森友・加計は朝日新聞の捏造”のネトウヨ陰謀論に丸乗りして疑惑封じ

加計疑惑を質問されても安倍晋三記念小学校のことをしゃべり続けた安倍

 それは立憲民主党・逢坂誠二議員の質問時でのこと。逢坂議員は選挙中のテレビ党首討論で安倍首相が籠池泰典氏のことを「詐欺をはたらく人物」と語ったことを取り上げた。本サイトでも当時指摘をしたが、籠池氏は起訴中でまだ裁判も開かれておらず、すなわち刑も確定していない。それを総理大臣が推定無罪の原則を無視して「詐欺をはたらく人物」などと犯罪者扱いしたことは、けっして看過できない重要な問題だ。

 だが、安倍首相は「詐欺をはたらく人物」と言う前に「『籠池さん自体が詐欺で逮捕され起訴されました。これはまさにこれから司法の場に移っていくんだろうと思います』ということを述べている」と主張。無論、「詐欺をはたらく人物」と断言しているのだから、こんな言い訳が通用するはずもないが、安倍首相はなぜか「同時にまた籠池氏はですね」と言い出し、こうつづけたのだ。

「(籠池氏は)たとえば朝日新聞のインタビューに答えて、小学校の申請において、安倍晋三記念小学校と申請したと述べています。これを朝日新聞は大きく報道し、であるからこそ当然、当局は私とのかかわりを認識したんだろう、と言って追及をし、それをもとにですね、民進党の方々もこれを事実としてずっと私を国会で追及してきたのは事実であります」
「安倍晋三記念小学校という申請をしていないにもかかわらず、申請をしているということを堂々と述べる、そして大きな影響を与える人物であった、こういうことではないかと思います」

 ここで安倍首相がもち出したのは、自民党の広報副本部長である和田政宗議員がネット上で大騒ぎをし、昨日の同委で自民党の菅原一秀議員も取り上げた、財務省に提出した設置趣意書に籠池氏が「安倍晋三記念小学校」と記したと朝日新聞の取材に証言した一件のこと。先日、黒塗り部分が消されたこの設置趣意書が情報公開され、そこに「開成小学校」と書かれていたことから、自民党は「朝日のフェイクニュースだ!」と攻撃している真っ最中だが、ついに安倍首相までもが国会で騒ぎ出したのだ。

 さらに安倍首相は、本日の予算委で1回のみならず2回もこの件をもち出したのである。しかも、あまりに強引なかたちで、だ。

 安倍首相が2回目に言い出したのは、希望の党の今井雅人議員の質問時。今井議員は、2015年4月に今治市職員や加計学園事務局長らが官邸を訪問した際、柳瀬唯夫首相秘書官(現・経済産業審議官)が応対したこと、さらに当時の下村博文文科相が同時刻に官邸にいたとする報道があることを指摘した上で、このときの参加者、会談内容といった事実関係をはっきりさせてほしいと訴えた。

 だが、安倍首相は「さきほど下村文科大臣が会っているかのごとくお話をされていましたが、そんなことはございません。本人も否定しています」と言うと、語気を強めて、またもこう切り出したのだった。

「報道ということであればですね、たとえば朝日新聞は籠池容疑者が言ったことを鵜呑みにして、安倍晋三小学校というですね、申請があったということを報道し、報道をもとにみなさんも質問していたのは事実だろうと思います。で、事実の根底が覆るということはあるわけでありますから、そこのところはみなさんも謙虚になっていただきたい」
「これは大切なところですから申し上げていますが、ファクトが根本から違っている、ファクトでないにもかかわらず、そういうことがあるんだということを申し上げています」

 そして、安倍首相は「ファクトで申し上げますと、今治市職員の方と面会をしておりません。市長や議長ならともかく、市の課長と面会することはあり得ない」と述べたのだ。

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