秋元康は過去に受けた女性蔑視批判を活かすことができたのか?
というわけで、前述の歌詞はそもそもの引用自体が的を射ていないわけだが、それはともかくとして、21世紀のこのご時世に〈人は見た目が肝心〉や〈女の子は恋が仕事よ〉という歌詞はあまりにも時代遅れである。
先に述べたように、内容が内容だけに「アインシュタインよりディアナ・アグロン」には批判が殺到。本サイトも含め多くのメディアが記事に取り上げた。だが、ここから驚くべき事態が起こる。
なんと、彼の女性蔑視的な視線を批評した本サイトの記事に対して、AKB48の運営会社であるAKSの法務部が「名誉毀損及び侮辱罪が成立する」「即刻、記事を削除せよ」というメールを送ってきたのだ。本サイトの記事はあくまで作品に対する批評であり侮辱でもなんでもなく、本サイトがその旨を記事で表明すると、その後、運営側は沈黙したが、批評さえ恫喝で黙らせようとする態度を見る限り、秋元氏およびそのスタッフに批判を真摯に受け止める姿勢は感じられない。
この「アインシュタインよりディアナ・アグロン」以外にも、〈おばんになっちゃうその前に おいしいハートを食べて〉というフレーズが登場する彼の代表曲のひとつ「セーラー服を脱がさないで」(おニャン子クラブ)をはじめ、〈定期的に恋をしないとね 劣化して行くよ(蜘蛛の巣ほら張ってるよ) 食欲が性欲に勝ってるなんて なんか悲しいね このまま行ったら 歳取って行くだけ〉という歌詞が登場する「恋を急げ」(NMB48)など、秋元氏のペンによるもので女性蔑視的な表現が登場する楽曲は枚挙に暇がない。
今回、『ワンダーウーマン』のイメージソングとして、「女は一人じゃ眠れない」という曲タイトルが発表されただけでこれだけ炎上したのは、タイトルそのもののヒドさに加え、以上述べてきたようにこれまで秋元氏が女性蔑視的な楽曲を大量に書いており、根本的に女性差別的な思想の持ち主であるということに原因がある。
前述したように、実際の歌詞はどうなっているのか現段階ではわからないが、「女は一人じゃ眠れない」という曲タイトルに加え、秋元氏のこれまでの歌詞から鑑みる限り、『ワンダーウーマン』らしい女性の解放を後押しするような歌詞が出てくるとは少し考えにくいのだが、果たしてどうなるのか……。
(編集部)
最終更新:2017.12.06 04:02