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なぜ? 岡田准一と安倍首相が食事!『海賊とよばれた男』アカデミー賞の事前運動か、愛国映画製作の相談か…

 また、日本テレビとアカデミー賞の関係だ。アカデミー賞が東宝、松竹などの大手4社の作品に偏重していることは有名だが、授賞式を放送する日テレが出資した作品が受賞しやすいという傾向もたびたび指摘されている。そのようなことを樹木希林や是枝裕和氏が授賞式で皮肉ったこともあるのだが、『海賊とよばれた男』の製作委員会には日テレが名を連ねている。こうした背景から、『海賊とよばれた男』で岡田が再びアカデミー賞受賞確実と公開前からと言われるほどだった。

 ところがフタを開けてみると、『海賊とよばれた男』は大コケしてしまう。批評家からの評判も芳しくなく、実際、主要部門でノミネートされたのは岡田の主演男優賞だけだ。

「『永遠の0』のときは興行的には大ヒットだったし、最優秀作品賞や監督賞を含む総ナメ状態だったんで、別に岡田が最優秀主演男優賞をとっても不自然ではない感じだったけど、さすがに今回の『海賊とよばれた男』は苦しい。海賊チームにとって、岡田の受賞に箔をつけるために、今回の首相との会食は絶好の機会だったのではないでしょうか」(前出・在京テレビ局関係者)

 まあ、さすがに政府に直接的な圧力を依頼したというのはありえないだろうが、たしかに、わざわざこのタイミングで岡田が安倍首相と会食した事実は、興行的にも批評的にもかんばしくない作品の受賞にとりあえずの口実を与えることができる。また、今回最多11部門でノミネートされた渡辺謙主演の『怒り』が、なぜか主演男優賞だけ外されているのも不自然ではある。そう考えてもやはり、岡田の2度目の受賞は既定路線で、そのための“最後の一押し”が安倍首相との会食だった、ということなのだろうか。

 他方、安倍政権にとっても、この愛国ポルノ映画を推すことには大きなメリットと思惑がある。というのも、“国策映画”の製作に乗り出そうという動きがあるからだ。今年1月にロイター通信が報じた通り、いま安倍政権は、明治期の国づくりなどを題材とした映画やテレビ番組の制作に対する政府支援を検討している。

 その表向きの理由付けは1868年の明治維新から150年の節目を迎えるからということになっているが、実際には、菅義偉官房長官が「大きな節目で、明治の精神に学び、日本の強みを再認識することは重要だ」とコメントしているように、明らかに明治から第二次世界大戦終戦までの帝国主義を「伝統」などと偽って美化し、戦後民主主義を否定する意図がある。

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